【脳】と聞くと、セットのように認知症を思うのは私だけかもしれないが、トシがトシだけに無理も無い。トシと言えば4日まえに、89歳の誕生日を迎えた。
ある学者さんは、『生物の脳は、もともと考えるためのものではなく、体に密接に結びついていて、進化の過程で、色々と考えることが出来るようになってきた。言うなれば、脳は体の奴隷である。脳の立場からすると、いつも頭骸骨の真っ暗闇の世界で、外の情報は何も解らない。目、耳、手、触覚などの体を通じてしか分からない。身体からの働きかけがなければ、脳は活性化しない』と書いている。
この理論からすると、寝てばかりいては、脳は、ただ命を守るだけの働きしかしないことになる。若いときのように、何事にも興味・関心を持ち、体を動かして、脳に刺激を与えなければ、脳はトシとともにどんどん退化していくのは当然ということになろう。
そういえば、私の友人Aさんは、よく体を動かす元気者だ。興味を持っていることに対しては、すごく記億がいい。それは当然であって、常に、聴いたり調べたりする熱意がある。私など、自分の言ったことも忘れているのに、彼女は私が昔言ったことまで憶えていて教えてくれる。Aさんをみていると、興味と関心は、トシをとっても持ち続けることが可能であることを教えられる。
だれしも心身ともに元気でいたいのだが、極端な言い方をすれば、脳より体の方が大切で、体を動かし、元気にしておいて、いろんなことに興味を持ち、挑戦していくことが大切、ということのようだ。高齢になるにつれて、身体にも異状がきて、動かしにくくなるのだが、昨日できたことが今日出来なくなるわけではないので、毎日続けていくことが大切なのだろう。