いよいよ今年も終わる。今日は大晦日。一年の最終日の大晦日(おおつごもり)だ。小晦日とか、大晦日とか晦日(みそか)ということばは、最近はめったに聞かになくなった。晦日というのは、三十日という意味なのだが、月末という意味に転じている。
私は小さい時から、この言葉には馴染みがあった。小学校の4年生頃から、晦日に集金というイヤでたまらない仕事をさせられたのだ。近くの10軒ほどの集金だが、犬にほえられたり、留守だったり、日を延ばされたりするが、一番イヤだったのは、家人の差し出す縦書きの分厚い領収帖に、目の前で、〝一金〟と書かれてある下に、下手な字で 参十五円 藤○印刷所などと書きこまねばならないのだ。(家業が印刷業だったのに、今風の領収書をどうして印刷していなかったのかと思うのだが)字の下手なことが、今も凄く恥ずかしく思うのは、この時からなのだ。
今日は朝から大変だと思うので、大晦日に入ったところで書いている。大変というのは、私にとってであって、することはたいしたことではない。いつものような一日になるのだが、煮炊きが多くなるので、立ち仕事が多いだけの話。黒豆の仕上げ、シイタケ、こんにゃく、筍、高野豆腐、牛蒡、数の子の仕上げ、などが私の分担である。お正月3か日は、家族いっしょに食事をするならわしだ。もう味付けに自信がないのだが、黒豆は市販のものより人気がある。
一年は早くなってきた。というより、生きている時間が減ってきたので、惜しむ思いが強くなってきたのだろう。色々な思いがあった一年だが、生きていることの意味がだんだんと心にしみてきた感じもする。
皆様、よき新年をお迎えください。来年もよろしくご指導のほど、お願いもうしあげます。