あるTV番組をみて思った。一口に言うと、子供を叱ったら子供のためにはならない、何故そのようなことをするのか、考えて、その原因をさぐって取り除く事が大切で、叱るのは、子供にとって何の利益にもならない、というようなことだった。
子供のころ、よく叱られた私としては、「そうかしら?」と、首をかしげてしまった。同じようなことを仕出かして、何度も叱られた記憶もある。叱られながら、叱られるのは当然と思ったことも多い。暗くならないうちに帰りなさいという家の決りを守らず、遊びに夢中になり、気が付いたら、薄暗く、走って帰ったが、間に合わず、叩かれたこともある。親は、かなり心配していたにちがいないのだが、気持ちとしては、不満はあったが、すぐそんな不満は消えていた。
しかし、こうした経験は、別に悪いことではなかった。今になって思うと、懐かしい思い出となっている。
子供のころからよく叱られても、よその家を羨むことは、まったく無かった。平凡な自分の家や家族だったが、最高と思っていた。この家に生まれてきてよかったと、思っていたのだ。お金持の家を羨んだりすることはまったくなかった。と、いうことは、叱られることが私にとってマイナスではなかったのだろう。
思うに、親や家族が、本当に子供を愛していたら、叱り方もちがってくるはずだ。叱っても叩いても子供にとってマイナスではないと思う。叱られることの経験がない子が、大きくなって社会人になると、どうなるのだろうか、と心配になる。社会人になってはじめて小言を言われてショックをうけて会社に行きたくない、なんてことにならないことを願う。