ある統計を見て思った。貯蓄が億以上の世帯は、2%ほどという。えっ?そんなに少ないのかな、と思った。世の中みていると、(自分の生活は、かなりみみっちいので)皆さん方は、たくさんお金をもっていらっしゃるんだなあと、思っていた。(笑)
【小金持ち】というと、大金持ちの反対言葉だろうが、この定義もまちまちで、その人の感覚で何とでもなってしまいそうだ。
私の感覚でいうと、以前、ある方(たしか邱永漢氏)の本で読んだ記憶だが名言と思った。『小金持ちとは、そこそこの生活が出来て、「今日はうなぎが食べたい」と思ったら、それを食べ、「2、3泊の温泉旅行に行きたい」と思ったら出かけられるくらい』と。ま、人によっては、2、3泊の温泉旅行が、豪華客船の世界旅行であるかもしれないが、庶民感覚としては、2、3泊の温泉旅行だろう。これだって、行こうと思えば行けるけど、止めておこう、と思うのは、よくある話しだろうが……。
邱氏は、小金持ち程度の生活のできる小市民が、一番幸せだ、とおっしゃっていた。あり過ぎても、少な過ぎても、苦労があるというか、よくないことがある、ということだろう。
私は、どちらかというと、自分の置かれている立場、環境に、大ていは満足出来る性格と思う。いうなれば、分相応と思えるからだ。小さかった頃、友達の中には、羨ましいお金持の子もいたけれど、常に、この家に生まれてきたこと、この両親の子であることが嬉しかった。(ま、幼い時は、ほとんどの子がそう思って大きくなったろうが)
今、邱氏のことばを借りると、【小金持ち】に少し足りないようだ。財布の中身と相談しながら、「うなぎが食べたいけど、ま、鮭にしておこう」(笑)でも、「ああ、私は小金持ち」と思うことは出来る。鮭が買えるのは幸せだ。
長い人生を振り返って、【幸せに生きて行く知恵】のようなものは、まわりにたくさん落ちている小さな幸せを拾い上げて行くことだと思う。