マーケットでソラマメのパック入りを手にした。値段を見て「止めた」と。もうそろそろ安くなってもいい頃と思うのだが、安くならないのは、けっこう売れるのだろう。
この時期、いろいろな路地ものの野菜が豊富に出回っている。頂きものも多い。どうしてもソラマメが食べたいわけではない。財布の紐を引きしめているのは、今に限ったことではないが〝年金その月暮らし〟が身についているためだ。
話は変わるが、ソラマメを見ると思い出すことがある。それは、教師時代のこと。以前小学校では、養護の先生が児童の便をしらべてくださっていた。回虫の検査である。
あるとき、となりの一年生の教室から、先生と子どもたちの声が聞こえてきた。
「みんな、よう聞いてよ。便はね、マッチ箱に、ソラマメぐらい入れてくるんよ。いっぱい詰め込んでこられんよ」「はーい」
(そら豆かあ。そら豆の方がよかったなあ) 私は小指の第一関節を押さえながら、「小指の先ぐらいでいいのよ」と言ったのだ。
翌日、隣のクラスに、大きなマッチ箱に、そら豆をびっしりと詰めてきた子がいた。(小指チョン切って入れてきた子がいなかったのは幸いだったなあ)ふふふっ。