2020年6月9日火曜日

№1292 盲導犬


  TVで盲導犬をみて思い出したことがある。かなり以前のことだが忘れられない。仙台で、盲教育の全国研修大会があった。会の始まりが9時なので、同じホテルに県外からの参加者が10数名程その前日から 泊っていた。お迎えの方がこられ、「歩いても15分ほどですから、歩きましょう」ということで歩いて会場に行った。そのとき、盲導犬を連れている先生がお一人いらっしゃった。「ワンちゃんを連れての旅行は大変だろうなあ」などと思いながら歩いたのを憶えている。
 
 会場では、いくつかの部会に分かれたのだが、私とワンちゃんは、同じ部会でお隣の席だった。感心したのは会議中、机の横に座っているワンちゃんは、クンともスンとも声を出さずに、じっとして動かない。お弁当がくばられて、皆さんが食事をしていても、じっとしている。
 食事がすんで、めいめいが庭に出たりし始めたとき、初めてワンちゃんと先生は、出てこられ、ワンちゃんに食事を与えられていた。「盲導犬って賢いですねぇ驚きました」と申し上げると「もう私はこいつに頼りきりですよ」と笑っておられた。

 更に驚いたのは、帰りである。同じホテルに帰るのだが、だれひとり、道を憶えていなかったが、ワンちゃんを連れた先生が、「大丈夫ですよ、これが連れて帰ってくれますから」と。ワンちゃんを先頭に、ぞろぞろと帰って行く途中、ワンちゃんの足が、ぴたりと止まった。それは、珈琲店の前だった。その先生は、いつも学校の帰りに珈琲店に寄って帰るのだそうだ。ワンちゃんの臭覚も凄いのだろうが、ご主人さまに対する心構えには、【所変われども】なのだ。ほとほと感心させられた二日間だった。

 同じワンちゃんでも、家で可愛がられて抱っこされている犬もいる。そうしたワンちゃんも、それなりに飼い主さんを癒しているのだが、盲導犬は、なんと健気なワンちゃんであろうか。

 

2 件のコメント:

  1. 盲導犬の一生を、以前テレビで見たことがありますが、大きく分けて3つの家族で育てられるようですね。幼犬の時代は家族に可愛がられ、施設で訓練を受けて、後に希望する人の生活を補助し、老犬になると、また別の家族か、施設で余生を送るのですね。 見ていて何故か、老犬の時代に、一番感動を受けた記憶があります。

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    1. そうでしたか。私はそのTV見ていませんが、みたかったですねぇ。私は、子供の頃、家の商売の手伝いで集金に行かされましたが、犬のいる家ではいつも吠えられてイヤな思いをさせられたのですが、以前、子供のために家で飼っていたいた時代(柴犬)から、やっと犬好きになれました。(笑)

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