2020年3月15日日曜日

№1283 香害


  あまり聞いたことのないコトバだが、人工的な香りに含まれる化学物質によって、吐き気や目まいなどの症状を起こす人が増えていて、公害をもじって、香害という呼び名になったらしい。

私は、そんな害にあったことはないが、そうした香りはあまり好みでない。その主なものは、化粧品、洗濯に使う柔軟剤などらしい。化粧品のほとんどに香りがあるのだが、香水は別として、付けた時は少々香っていても、そのうち消えてしまうように思うので気にならない。今、先ほど付けた手の甲のクリームも、鼻を近づけて嗅いでみても臭わない。勤めていたこともあり、化粧は習慣で、このトシになっても、毎日欠かさない。顔のシミやしわを隠す?目的もある。ただ、薄化粧らしくみせねばならないので、けっこう手間はかかる。()

洗濯の柔軟剤は使わない。理由は乾かしても匂いが残る。洗剤の匂いが残るのはなお嫌なので、決められた量の洗剤は入れるが、出来あがったら、そのまま、もう一度「洗い」だけ繰り返して脱水している。洗剤の匂いは殆どしない。

私は何事にも鈍感な方なので、その程度なのだが、敏感な方は、そうはいかないらしい。新聞によると、カフェを経営しているご夫婦は、科学物質の過敏症を発症したとか。店の入り口に、柔軟剤を使用した衣服の着用した人の入店を控えてもらよう張り紙を出したという。また、女子社員の香水によって同僚が知らないうちに症状をひきおこすこともあるというから怖い。

そういえば、妹のひとりは、娘時代から、化粧は一切しない。結婚したとき、化粧をしなければと思ったが、夫に化粧は嫌いと言われて喜んだようだ。トシとって皺もシミも出てきたが、化粧する気にならないという。自分の娘の結婚式の時も、スッピンで留袖を着ていた。化粧は身だしなみと思っていた私だが、しなければしないで、それなりのプラスはあるようで、「私は素顔でも姉妹では一番の美人やろ?」と、面の皮も厚いが、誰もが認めている。残念ながら手入れしているだれよりも、顔も素肌もきれい。肌も、香害を受けているのかもしれない。

香害を取り締まることは無理だろう。隣にすわっている同僚に「化粧してくるの、止めてくれない?」なんて言えそうにない。自然の香りだけを用いての製品には限りがあるだろうが、化学物質を使わない製品や、無香料の製品がたくさんでてきてほしい。

人々は、良い香りを嫌っているわけではない。自然の香りは、心身をリラックスしてくれる。疲れた夜など、枕元でお香を焚く。線香一本でリラックスできるのだ。あちこちに、自然の美しい花々が香り高く咲き乱れている町づくりができたら、素晴らしいことだと思う。

 

2 件のコメント:

  1. 化粧の香りを漂わせる人は来ませんが、職業の香りを漂わせる人が時々来ます。一人は和尚さんで、もう一人は寿司屋さんです。 
    和尚さんは作業着の時は香りませんが、普段着や衣の時には、線香の香りが漂います。
    わたしは嫌いな香りでは有りませんし、和尚さんの漂わせる香りはどうも高級品の線香の香りのようで、何となく落ち着くような気分に成れます。
    近くの寿司屋さんの大将の香りは、やはり酢飯の香りです。
    こちらはまた良い香りで、お腹の空いている時には、話していてもお腹がグーと鳴いてしまいそうになります。
    このように書きながら、その香りを思い出して、ちょっとお腹が空いて来たように感じてきました。 パブロフの犬の条件反射のようですね^^;

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    1. お寿司やさんも、お寺さんも、化学物質は混じっていないでしょうから、心配ありませんね。
      いっそ、お寿司やさんの香りで、食べた気分になれると、いっそういいですね。(笑)
      私もワンちゃんなみに、梅干し売り場で塩分3%などさがしているとき、10%なんていうのをみていると、しょっぱくなって唾液が出てしまいます。
      香りの正体というのは、よくわかりませんが、発散されている物というのは、目に見えないけど吸いこんでるので、わずかな量ても化学物質などは、客商売などしていると、積もり積もっては聞けやめまいをおこすのでしょうかねぇ。

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