長い教員生活の殆どを障碍者の教育に当たってきました。障碍の無い子供の教育も、初めの4年間は経験しているのですが、やりがいのあったのは、やはり障碍者教育だったように思います。難しい教育でした。何も分からないのに飛び込んで、失敗もありましたが、否応なく、いろいろと勉強せざるをえなかったのは、ありがたいことだったと思っています。
今日TVで、出産前検査で、産む産まないの選択ということで放送されていました。そういう時代になっているのは当然だろうと思います。それを見ながら、ある日の教室の一場面を思い出しました。盲学校の中学部の特殊学級を受け持っていた時のこと。夏休みが終わってのある日のことでした。
「夏休の思い出で、どんなこと、心に残っているかしら」
A「ぼくはなあ、母ちゃん泣かしてしもたことやなあ」
「ありゃりゃ、お母さん泣かしたん? どうしたん?」
A「ぼくがな、こんなぼくでも、産んでくれて嬉しい言うたらお母さんがおいおい泣きだしたんよ」
……私も泣きだしてしまったのです。これでは授業にならんと思いながらも、涙がとまらなかったのです。
B「こら、Aよ、先生も泣かしたらあかんやないか。あかんやないか」
泣き虫の私は、Aのお母さんの気持ちが胸いっぱいに広がってしまったのです。
Aが、生まれてきて良かったと心から思っていることが、とても嬉しかったです。お母様きっと、嬉し涙と、障碍者に産んでごめんなさいの気持ちとが、泣かずにはおれなかったのでしょう。
今は亡き、A君のご冥福を祈っています。
こんにちは
返信削除めったに書き込みしませんが、今日のは泣かされました
今朝のテレビに、マラソン解説者の増田明美さんが出てました。
オリンピックで途中棄権して帰国した成田空港で「非国民」と言われたそうです。その後の、大阪国際女子マラソンでは沿道から「増田、お前の時代は終わったんや」と言われました。ひどいことを言う人がいるもんですね
言葉は人を救うことも凶器になることもありますね
bagusさん、お変わりなくてなによりです。ほんとに心ない方がおりますね。コトバは両刃、愛のないことばに傷つくことはよくあることですね。
削除愛情があれば、「ばかやろう」も有難いことばになるのですもの。