2015年12月30日水曜日

№1006 クリスマス


 (クリスマスの日に書いたものが上がっておりませんでしたので、上げて置きます。)

12月に入ると、昔は【もう幾つ寝るとお正月……】という歌をよく聞いたものだが、今はクリスマスソングが取って変わった。そのクリスマスも、このトシになると、べつに嬉しくも楽しくもなくなっている。

最近は、家でクリスマスを祝う方が多いらしい。以前は、夜の繁華街を、酔っぱらったお父さんたちが、赤いとんがり帽子など被って、(いや、被せられてかな?)もつれ合って歩いていたりしたものだが、そんな風景は、もう見られないようだ。

クリスマスと言えばサンタさんだが、サンタさんが寝ている間にプレゼントを枕元に置いてくれる、ということを信じていた子どもたちは、なかなか寝付かれなかったろう。そのうち、本物のサンタは親だと分かるときがくるのだが……。

昔、小学校低学年の担任をしていたとき、ほとんどの子が「サンタは、来てくれる」ことを信じていた。ところがある日の放課後の教室で、突然大きな声で「絶対嘘だ。サンタさんなんかいない。うちにサンタなんか来たことない」と、真剣な顔で言い突っ張っていた子がいた。貧しい上に、母親が精神的に病んでいた家の子だった。かなり迫力のある言い方に、他の子どもたちは、キョトンとしていた。

私はそのとき、「サンタは絶対いない」と頑張っていた子に拍手を送りたかった。プレゼントを買ってもらえないという辛い気持をすっ飛ばして、力強く言い張る子を頼もしいと感じたのだ。彼女にはきっと、これからの人生に、かなりの試練が待っているだろうことを思うと……。

【支援】はしなければならない。学びたい子には、どこまでも学ばせてやらねばならないと思う。しかし、格差社会は、いつの世がきても、なくなることはないだろう。底辺の子どもたちが、大人になっていく過程で、自力で這いあがっていく力を身につけさせることも、忘れてはならない教育と思う。

2 件のコメント:

  1. お言葉どおりですね。格差のない社会は理想ですが実現は困難でしょう。みんな隣の優秀な子よりぼんくらでも自分の子がかわいい。学費を出すなら自分の子に勉強させたい。人間の業みたいなものでしょうか。

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