2016年6月5日日曜日

№1059 ある日のできごと


  昨日から梅雨に入ったようだ。朝から、田植え機の音が聞こえてくる。ニンジン畑が、田に衣替えだ。お米を主食としている日本人にとって、田植えと言うのは、何となく郷愁を感じるものだ。「どうか、今年も豊作でありますように……」といった気持ちが、自然にわいて来る。

このあいだのことだが、ひどく小鳥が庭で鳴き始めた。いつも烏や雀が年中鳴いているのだが、ムクドリか何か、よくは見えないのだが、数羽が叫ぶように鳴く。台所の換気扇を回すと、更にチッチッチッチという声がよく聞こえてくる。「換気扇の当たりで鳴いているのだろう」くらいに思っていたのだが、どうもそうではないらしい。といっても、換気扇の中に小鳥が入れるはずなどない。外の細い隙間からは、入りようがない、と思っていたのだが、一向に納まらないので、外に出て、換気扇を睨んでいると、何と、隙間から、雀より大きな小鳥の姿がちらちらと見えるではないか。驚いたが、どうしていいものやらと思案し、息子に相談すると、柄の長いハサミで、換気扇をふさいでいる細い棒のようなものを3本ほど切り落としてくれた。何と、プラスチックの軟らかいものなのだ。小鳥は、頭から突っ込んで入ったものの、出てこれなかったらしい。
でも、小鳥は用心してか出口が出来ても出てこない。何とかならないかと家の中に入って、換気扇を回し出すと、出て行ったらしい。らしいと言うのは、飛び出していく姿は見えなかったからだ。

それからというもの、それまでやかましく叫んでいた小鳥たちは、すっかりおとなしくなって、ちちちっと、ときおり鳴きながら、庭の木々の間を飛び回っている。あの叫びは、「だれか助けてあげて!」だったのか、「早く出ておいで!」だったのか? それにしても、小さな小鳥たちの家族か友人か知らないが、随分と深い絆で結ばれているのだなあと、感心してしまった。「気が付くのが遅くなってごめんね」。

5 件のコメント:

  1. 中国では、良く人がいろんな所に挟まれている場面をTVで見ますが、小鳥でもそんなことが有るのですね。 昔インコを飼ってたことがありましたが、木の巣箱を置いているのに、なかなか子供を産みません。 或る日一匹が、盛んに巣箱を口ばしで引っ張っていましたが、とうとう入り口を正面から見えないように、一回転させて奥の壁側にしまして、それから多くの子供が生まれるようになりました。 小鳥でも何か落ち着く環境が欲しい場合が有るのでしょうね。 穴に入り込んだ小鳥も、実は瞑想に耽っていたのかも・・・^^;

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  2. 一匹じゃなくて一羽でした ^^;;

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    1. 小鳥といえども、ほんとにお性根がありますね。感心します。鴉でも、気にいらないと、意地悪されるそうですから。
      換気扇の中に入った小鳥は、つらかったでしょうねえ。何日も見ず者めなかったはずですから。(笑)

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  3. 色んなことがあるもんですね。この世には在る筈のないことが起こる。ほんとですね。動物にもいろんな知恵がありますね。小鳥たちはきっと異常事態を仲間に知らせていたんですよ。賢いものです。

    カラスは特に頭がいいそうですよ。種をまくと烏がほじくると昔から言われています。

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    1. ≪ごんべが種撒きゃ鴉がほじくる≫ってね。鴉も仲間意識が強くて、仲間が足を痛めて飛べなくなっていた時など、ものすごく鳴きまわっていました。助けようにも、そばに近づくと、頭すれすれに飛んできて、怖くてどうにもできませんでした。翌日にはいなくなっていて、ホッとしましたが。

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