2016年3月19日土曜日

№1036 根


  早くも雑草が伸び始めた。それをかき分けるように、クロッカスの花が咲いている。このクロッカス、もうかなり古い。水栽培をしていたものを、土に移されて10年にもなるだろう。ほったらかしにされていながら、健気にも枯れることなく命を咲かせている。こうした生き物をみていると、どんな根っこなんだろうかと思ってしまう。そして根が大事は人間も同じだなあと……。

【根性】って何?と聞くと【性根】と言った方がいるが、人間も、しっかりした根があれば、太くも、高くも、花を咲かすことも出来るのだろう。根は、土の下の力持ちだ。上には出て来ない。土の下で伸びたり張ったりして上を支えている。しかも、硬い岩があれば、器用に岩をよけて伸びている。

  ある脚本家が以前しゃべっていた。脚本を書いていると、その一人ひとりの性格や生きてきた過程などがしっかりと決まらないと、なかなか前に進めない。いわゆるその人間の根っ子の部分だ。そんなことは、関係ないようだが、そうではないのだ。これには深く頷けた。10人もが出演する台本など、その一人ひとりの生きてきた歴史がきちんと整理できていないと、筋の通ったものは書けない。

  平凡な私めが考える様々な人生絵巻は高が知れたものだ。でも、やはり考えねば何も書けないのだ。

 

4 件のコメント:

  1. 昔アメリカのTVドラマで「ルーツ」という連続物が有りまして、黒人少年がアフリカで奴隷狩りに会い、アメリカに運ばれる時から、現代の子孫に及ぶまでが描かれていた秀作でしたが、そこまでは辿らなくても、人の根っ子というものは、その人の人格を形作る上で、大きな働きをしますね。 人の性格は、素質と育った環境により練り上げられる、らしいですが、それにより千差万別の個性が出来上がるのですね。 今のこの世の中の脚本は、上手くできているのか、駄作なのか?登場場面の多い人だけ見ても、どうも芸術作品とは言い難いような気がしますけど・・・^^; 賢い観客は帰りそうで心配です。

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    1. その人のルーツが優れていたり、おとっていたりするのは、もうどうしようもないのですが、たしかに影響はありますね。体育系の優れた素質の夫婦の子どもが、また優れた体育系の嫁をもらったのですが、その子、孫に当たる子二人とも、国体選手でしたから。(笑)

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  2. ルーツ私も読みました。もう、うろ覚えですけど・・色々考えさせられた作品でしたね。根があって花が咲くわけですが、根を強くする方法ってあるんでしょうか。根の強弱って運命的なものなんでしょうかね。

    ルーツの場合は自分ではどうしようもない過去の事なんですがそれを乗り越えるにはどうしたらいいんでしょう。

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    1. 個人個人が、家庭や社会、学校で学びながら、自分の根を育てるしかないでしょうね。三つ子の魂じゃありませんが、育て方というのは、大切と思いますね。人間として本当の幸せは何か、なんていうことなど、育て方にかなり左右されるのではないかと思います。

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