2016年5月1日日曜日

№1049 五月の庭


窓のカーテンを開けると、眩しい朝の光が目を射してきた。寝坊をしたので、ガラス越しには、真夏のような光だ。戸を引いて物干し場に出てみると、ひんやりとした空気が春らしい。

我が家は、昔の農家なので、敷地が300坪ほどあり、母屋と、私の住む兎小屋と、小さな物置きが建ててある。この三つの建物が囲む空間は、さすがに車や人の出入りで草はないが、敷地のぐるりに樹が植わっているだけなので、雑草は遠慮なく生え放題だ。目に付く丈の伸びた草は一応抜いてあるのだが、毎日天を突く勢いで伸びたがる雑草なので、庭のあちこちに緑の塊がはびこっている。西側と北側の空き地には、水仙を植えてあるのだが、その水仙も花がおわり、葉が寝込んでしまう頃には、雑草も遠慮なく生えてきて、これもまた鬱陶しい。

草だけではない。鳥がよく飛んできて、物干し場の屋根や床に糞を落として行く。「こらー」と叫びたいが、ポンポン手を叩いて追うと、翼を広げて舞い上がる。気持ちよさそうな格好で光の中を飛び交う姿は、「ここまでおいで」と、勝ち誇っているようだし、隠れ場所を見つけて緑の葉の中に潜まれると、またすぐに舞い戻って来るのかと思ったりして、去りがたい。

人間も翼があったら便利だろうなあと思うことがある。飛んでいると、何かにぶつかって、失速することもあるだろうし、自分より大きな羽を持つものに、当て逃げされるかもしれないが、地上や空、海上の交通機関の発達は、無かっただろうなあ……なんて、夢みたいなことを思ったりする。

さて、いよいよ五月。町の一斉清掃、文藝協会の新年度の総会、同窓会の開催、台本の仕上げと、忙しいことが並んでいて、気忙しい月だが、何とか切り抜けたいものである。

 

4 件のコメント:

  1. 最近の小鳥は余り逃げなくなりましたね。 今日のSJ中、スズメの子が二羽前方に居たのですが、目で測ったところ、約2m程に近づくまで逃げませんでした。 そして逃げても、すぐ近くでまた草の種をついばんでいます。 昔のように、捕まえて焼き鳥にする人も居なくなりましたからね。 イャン、フレミングの本に「一体小鳥たちは、何万年人間から逃げ去るのだろう」と言ったような文がありましたが、ぼつぼつそれも過去の話になるかも、ですね。
    5月ですね、商売していますと、4月は何が売れたが、5月は何を売ろうか・・と、そんなことばかり考えています。 ただ2時間くらいの運転中には、山々を見たり、雲を眺めたりして季節を感じています。 今の時期の山は、アワアワと萌え出す新芽が、鬱陶しいほどの感じです。

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    1. 最近は、田が実っても、あまり案山子を立てたり、網を貼ったりしませんね。雀の害は、少なくなっているのか、数がすくないのか。
      我が家の庭には、雀はあまり姿をみせませんが、鳩やら、鴉やら、色々な鳥がきます。
      そろそろ、緑も濃くなってきますね。ブロッコリーみたいな山になります。(^^)

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  2. 雀は逃げませんね。それに雀自体、減ってきたように思います。これから秋まで草にとってはわが世ですから人間の力では追いつけません。抜いても抜いてもという感じですね。

    私の家はごまめさんとこのちょうど半分の敷地。同居の娘が辞めてからは割と手まめに手入れしているようですが、私が管理しているときはまるで林のようになっていました。長女の家の家政婦代わりで自宅を留守にしていたものですから、雑草どころか竹や雑木まで生えてくる有様、耐えかねて娘に敷地を譲ったのです。まあそれでよかったと思っています。

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    1. 雨上がりの草抜きは、気持ちがいいほどぬけますが、もう腰が痛くて僅かしかできません。草枯らしを今年もかなり撒きました。
      貧乏人に広い庭は、いりませんが、しかたありません。(笑)

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