2015年8月27日木曜日

№967 バナナ


  袋入り3本のバナナの最後の1本が、色が変わって来た。あまり間食をしないので、バナナを買っても、ご飯代りにすることになる。今朝、その最後のバナナが、ごはん代りになった。

 バナナには、色々な思い出があるので、時々買ってみる。食べたくなるというよりは、手にとって眺めていると、つい買い物かごに入れてしまうのだ。

 幼い時、月に一度くらい、バナナを食べていた。父が、組合の会に出掛けた帰り、夜店のたたき売りのバナナを一房買って帰るのが習わしだった。今思うと、随分大きな房だったように記憶しているが、子どもの目で、そのように写っていたのかもしれない。家族皆がバナナ好きだった、というよりは、バナナは、誰もが大好きな果物だったように思う。夜店に行ったときは、いつもバナナのたたき売りが面白くて眺めたものだ。

 そんなバナナも、戦争が始まったころからは、店頭に並ぶことが少なくなった。そしてまったく姿がみえなくなり、戦後は、高級果物になってしまった。

 それでも、だんだんと庶民に手の届くものになってきたのは、昭和も30年になった頃のように思う。私がお産のため、徳島の産院に入院し、陣痛がはじまったのは、昭和32年7月30日。それから30時間という長い時間、ベッドの上で苦しんだ。食事も喉を通らなかった。
 そのとき夫が、近くの果物店で、バナナを一房買ってきて、皮をむいて私の口元に持ってくる。「ほら、バナナ食べて元気だせ」と。
 しかし、そんなものが食べられるはずがにない。仕方なく、夫はそれを食べる。そんな繰り返しで、とうとう夫は、30時間の間に、バナナ一房を全部食べてしまうハメになったのだ。何しろ、陣痛の切れ目がほとんどないし、ちょっとの切れ目も、ぐったりなっていて、ものを食べる元気もなかったのだ。

 やっと出産して一息ついたとき、私が「バナナ食べる」と言うと、「もうないわ」(笑) 

4 件のコメント:

  1. 優しい旦那様ですねえ。うちの主人は私のお産には2回ともノータッチでしたよ。

    小さい時たまに食べたバナナはほんとに美味しいかったのですが、なぜか今は食べたいと思いません。娘がおやつにバナナ牛乳を作ってくれるのですがそれは美味しいと思って飲んでいます。

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    1. 昔は、柿も栗も、ゆすら梅ね何でも美味しかったものです。桑の実も、口を真っ赤にして食べましたものね。飽食時代というのは、ある意味で勿体ない話ですよね。

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  2. おばあちゃん!やっとコメントするよー
    これからも遊びにくるねぇ♪バナナの話笑った笑った~

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    1. ありゃありゃ。丸腰ででてきたんだね。(笑)
      mikuで、でてきたら?
      読んでくれてたんだね。有難う。婆もがんばってますよ。(笑)
      mikuちゃんもね。

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