2015年10月17日土曜日

№987 ある結婚


  以前ここに書いたことがあると思うが、【筋ジストロフィ】の子どもたちの学ぶ学校に勤めていたときの生徒、タケシ君は、病院で治療を受けながら、その横に併設されていた養護学校高等部に通っていた。そして、美人看護婦さんと恋愛して、卒業後結婚し、高松市で暮らしている。

当時から、長くは生きられない病と闘っていたのだが、結婚後、医者も驚くほどの生命力で、今日を迎えている。私の知っている生徒のほとんどが天に召されているのだが、結婚したもうひとりのヤマシタ君とタケシ君は、呼吸器を付けながらも、前向きに頑張っているのだ。

今日は、昔の同僚で仲良しのKさんと二人で高松のタケシ君を尋ねた。もう毎年の行事になった訪問で、タケシ君夫婦も楽しみに待っていてくれる。

二人三脚で築いてきた二人の愛は、もう揺るぎようもないもので、いつお目にかかってもほほえましいものだ。特に彼女は、若さの過ちで選らんだ結婚生活ではなく、はじめから、【人生】を選んだのだ。結婚生活には、何の迷いも後悔もなかったはず。実に明るいのだ。

幸せとは何か、愛とは何か、これは人それぞれが違って当然だが、【こんな素晴らしい愛もある】ことを私は、訪れる度に胸に焼き付けてきた。

運転する車の窓からは気持ちの良い秋日が差し込んできた。周りの山々は、まだ紅葉には早い。でも、私達二人は、行きも帰りもルンルン気分だった。幸せを分けて頂きに行く気分なのだ。いい一日だった。

4 件のコメント:

  1. 愛のある結婚って素敵でしょうけどね、愛なんてそんなに長続きいするのかなあ、と思っていました。ごまめさんの教え子は恵まれた方ですね。素晴らしいです。

    考えて見れ私なんか親の言うままに結婚し、世間で言われるように妻の役割を果たし、
    子育てをし、夫を見送り、今度は自分が見送られ1巻の終わり、幸不幸なんて考えの外でした。

    返信削除
    返信
    1. ほんとうに素晴らしい愛だと思います。何十年もの変わらぬ愛だけではなく、二人ともが、たゆまぬ勉強を続けていることも素晴らしいです。

      削除
  2. 本当にそのような夫婦が、やっぱりこの世に居るのですね。 わたしの親戚の人にも、入院先の看護婦さんと結婚されて、何十年経った今でも、とても仲の良い人たちが居ますが、羨ましいことです。
    そこのご主人は、若い頃からハンディにも負けぬ努力の人でしたが、やはりそんな生き方が、夫婦の強い絆に成っているように思えます。
    それに引き替えわたしの場合は波乱万丈。 とても事実は書けないのですが、何にも知らない他人から見れば、何か暢気そうに見えるらしいので、マッそれも良いか、と思っています^^

    返信削除
    返信
    1. 人生は、波瀾万丈というのが当たり前でしょうね。それでも皆さん、我慢したり辛抱したりしながら、小さな幸せを積み重ねていくのと違いますか?

      ま、人の一生なんて、この宇宙では、一瞬ですけどね。陽気に参りましょう。(^^)

      削除