2015年7月10日金曜日

№948 頑張れ!里子さん


  感心な里子さんのことを書きたい。里子さんは、俳句や短歌や、写真などを趣味とされていた方で、ケアハウスの看護師さんをされていた。私が以前、俳句の会に参加させていただいていたころ、その会のメンバーだった里子さんが、糖尿病で目が悪くなってきたとおっしゃっていたのを思い出す。その俳句の会が解散となり、私は、その後俳句とは縁切りしてしまった。俳句まで手が回らなくなった、という言い訳 をしているが、元々そんな素質など無かったというのが正しい。

 里子さんが、盲学校高等部専攻科に通い始めたという噂を耳にした。鍼灸マッサージを3年間かけて習得し、国家試験を受けるというのだ。

 里子さんは、60歳をすぎているはずだ。そんなお年で、しかも、学習内容は、かなり高度なものである。医学的な解剖学から、東洋医学と言ったような内容もある。私は、盲学校の中学部の教員を13年やってきたので、そのお年での挑戦は、大変なことは、よく解るのだ。

 さっそく、応援のお電話をした。『でも難しいし、暗記力が衰えているので大変です』と、おっしゃる。そうだろうなあ…でも、何とか頑張り通してくださいと、願わずにはいられなかった。

 3年の月日が流れた。ま、『大変だった』ということばは、ピンからキリまであるのだが、里子さんの大変は、実に重みがある。開校以来の最年長記録での国家試験合格で免許を手にいれられたのだ。里子さん64歳の春だった。糖尿も、目の方も、何とか落ち着いていて、生活には、差し支えがないようで嬉しい。

 先日開業の案内葉書が届いた。

  さの治療院 鍼灸あんま、マッサージ指圧

  平成2771日に開業しました。東洋医学の、〝心身一如〟の考え方を基本にし、症状に応じた治療を行います。お気軽にご利用ください。 
診療時間9時~12時 14時~18

予約制 電話(090-4508-8474)

休診日 日曜・月曜・祝日

場所 〒779-0105 板野郡板野町大寺字岡の前1-10 

 佐野里子さんの出発だ。ばんざい!とさけびたかった。さっそく、我が身の足腰のガタを診ていただきたく、お伺いした。

 お家の一室を治療室とした、電動ベッドと椅子、机だけの、簡素な治療室だが、丁寧に診てくださり、鍼とマッサージ、指圧をたっぷりしていただいた。治療費は、一律3000円。保険はきくのだが、接骨院の保険と違い、医者に診ていただいての診断書が必要であり、保険金も、三分の1くらいしか出ないという。ひどく鍼灸師は、国に差別されているらしい。ま、私の経験では500円の治療で、保険のきく治療に6回通うより、じっくりと1時間程身体に触って治療して頂く方が、治りが早いと思った次第だ。膝の痛みがなくなり、腫れがかなり引いている。

 昨日東京で学んでいる孫が高松に用事があって帰宅した。「ああ、首や肩がパンパンになって、毎日気分が悪いと言う。何しろ大学院生なので、とても忙しく、毎日の通学の荷物も多いらしい。さっそく、さの治療院に連れて行った。
 今朝の孫は、「お婆ちゃん。すごく気分がよくて、ルンルンよ。治療のおかげだわ。お礼言うとってね。夏休みも、10日ほど帰ってくるから、また連れて行ってね」と、高松に向かった。そのまま、高松から今日中に東京に帰るのだ。

 とても謙虚でお客様に満足いただけるかどうか心配する里子さんなので、孫に言われた通り、報告したのだが、とても喜んでくださった。私も嬉しかった。
 里子さん、頑張って!の応援をしたくて、書かせて頂きました。

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