2015年3月13日金曜日

№899  maru様へ


かなり以前に書きました私のブログを読まれたmaru様が、今日、こんなコメントを下さいました。

……前略……文中にある塚本の本で、笹野さんの歌を拝見したのですが、他のお歌もぜひ見たいのですが、歌集も出ていないようで、ネットでも見当たりません。もしお手元に作品の断片でもございましたら、お暇な折にでも、ブログ中にご紹介いただければうれしいです。

と。

笹野儀一さんは、歌集 【供華】(くうげ・昭和61年刊)を出版されています。その本が、当時、短歌界では、塚本天皇などと言われていた塚本邦雄氏の目にとまり、戦後の全国の歌集の中から、100冊を選ばれて新聞に連載された【現代百人百首】に、取り上げられました。代表歌は、ご存知の軍隊から帰還すると、すでに母上が亡くなられていた、そのときの歌、

★胸中のしぶくが如き悔しさに百合突き立てるたらちねの墳  

そのほか、★父の骨抱きつつ行けば父ならぬわが死ののちの風韻(ひび)くなり ★戦ひの修羅経し後にわが観たるものなにならむ曼珠沙華昏し ★あらあらと知恵づきはやき女童(めわらわ)の臍(ほぞ)金剛の汗光るかな ★虹の脚垂るる窓辺の夕闇に熱高き子のいのち漂ふ  
以上の歌を、塚本氏が選び、新聞に出ておりました。

私は、短歌には縁のない無骨者ですが、笹野氏の歌集を手にして、何度も感動して釘付けになったのを憶えています。maru様のおかげで、笹野氏のことを、久しぶりに懐かしく思いだしました。

 

2 件のコメント:

  1. 笹野先生の歌、やっぱりいいですね。今読んでも新しいと思います。読んで下さる方があるという事はほんとにうれしい事ですね。

    今週、1週間何となく毎日外出していてコメント御無沙汰。御免なさい。外出と言ったって自分では歩けませんので車に乗せて貰っての事です。

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    1. 笹野先生は、短歌でも俳句でも、どっしりとした文学の基礎と言うか、多くを学ばれている方なので、土壌が肥えていらっしゃいますよね。
      怖かったけれど。(笑)
      そんな笹野先生のお弟子さんのmimiさんですから、素晴らしい歌が出来るのも、当然ですね。
      外出は、しっかりなさってください。健康のためにもね。

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