2012年8月21日火曜日

福神漬け


カレーに付き物の福神漬けについて考えたこともなかったのだが、言われて見ると、字の如く、随分と縁起のいい名前である。福の神さまということだから、カレーでなくても傍に侍らせたい。

実はこの食べ物、明治十九年、上野の不忍池で茶屋を開いていた野田右衛門と言う人が、近くにあった弁天様からヒントを得て、お正月用として売り出したものだそうだ。


材料は、原則として茄子,カブ、大根,なた豆、シソ、ウド、筍の七種類。作り方は、材料を塩漬けにして、塩出しをしてから小さく刻み、これを醤油と砂糖で煮るとできあがり。材料を七つにしたのは、七福神にたとえたからだそうで、当時の案内には、「これをおかずにすると、他のおかずが不要になり、お金が溜まって福が舞い込む」ということが書いてあったそうだ。


今となつては、そんな有難い食べ物という感じは、どこかにふっとんでしまって、多分、お正月用には使われていないだろう。我が家では、使っていない。

私も以前、福神漬けを作ってみたことがある。買った福神漬けは、どうも味が甘すぎたり濃いすぎたりするので、自分好みのものをつくろうと思ったのだ。むろん知人に作り方を聞いてのこと。

こんないわれなど知らなかったが、蓮根、茄子、胡瓜、タクワン、生姜、ニンジン、昆布の七種類を揃え、タクアンと茄子以外を小さく切り2日ほど塩漬けにする。それにタクワンと茄子を切って加えて15分ほど水に漬け、しぼってから半日ほど風通しのよいところで干す。

そのあと、付け汁(醤油、ミリン、砂糖、水あめ)をこしらえて煮立てて冷めたら材料を入れて重石をし、時々かき混ぜていると、4・5日すると食べられる。

長年のカンというか、付け汁などは、砂糖何グラムなんて計ったりはしない。ちょっと舐めてみて手加減しながらだ。それが自分好みの味になるのだから、経験とは有難い。

実は、自家製福神漬けを作ったなどと偉そうなことは言えないのだ。たった一度きりしか作っていないのだから……。
理由は簡単。けっこう手間暇かかるからで、私のような手抜き女には、向いていない、ということである。(^^;;


2 件のコメント:

  1. ごまめさん、探究心がおありですね。福神づけなんて買うものだと思い込んでいました。お家で作れるなんて、思ったこともありません。

    でも出来ない筈はありませんよね。手間掛かりそうだけど・・・
    まあ、あまり大量に食べる物ではないので、買った方がいいかもね。カレーの付け合せぐらいしか使いませんもの。

    ごまめさんの体験談で、どう作られているかが分かって勉強になりました。

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    1. ふふふっ。たった1度きりしかつくってないのですから、偉そうなことはいえませんが、美味しいのですよ、自家製というのは。美味しくても作らないのは、めんどうくさいこともありますが、あまりいつもかつも食べる習慣がないせいもありますね。

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