2012年8月22日水曜日

地方文芸誌


年に一回出している【町文芸誌】だが、今年も会長さんはじめ10人のスタッフの手間が実って、原稿や広告が集まり、昨日、印刷に回すことができた。ホッと一息ついている。

これからも、校正という仕事が何度かあるのだが、これまでの仕事にくらべると、半分の手間もかからないので、肩の荷は軽い。



こうした市や町で作る文芸誌は、県内には何冊か発行されているのだが、案外市民や町民の方たちは、そうした冊子が発刊されていることを知らないのが現状のように思う。

文芸に興味のある方ばかりではないのでしかたがないのだが、世話人としては、淋しいものがある。



何をしても、先立つモノがなければどうにもならないのだが、会員の会費だけでは、とても間に合わない。しかし、町としては、そうしたことにお金を出してくれる余裕は無いらしく、賛同はしてくださってもお金を出してはもらえない。



有難いことに、スタッフの中には、お顔の利く方が何人かいらっしゃって、広告集めをしてくださる。広告といっても、寄付をいただくようなもので、その広告で、お客が増えるということは、あまり期待できないのが実情で、広告主さんから、「今回限り」などと、引導をわたされることも少なくない。



そんな現状に加えて、会員の高齢化ということがある。会員は、比較的裾野の広い俳句、次いで短歌、随筆、詩、小説評論となるのだが、若い方はほとんどいらっしゃらないのが現状で、先細りの様相である。年とともに、「もう作れない」「書けない」「体調がよくない」と仰って、原稿も会費も滞ってしまう方が増えてくる。



こうしたことは、私の町だけではないらしいが、若い方たちの活字離れというか、文芸離れというか、私どもの力では、どうにもならない問題が横たわっている。



昔、ある方がおっしゃった。

文化などというものは、文化の育つ土壌というものがなければ、育つものではない。とくに、地方でそうした活動をするには、理解のある人達の援助がなければなかなかできないものだと。



私たちの文芸グループを立ち上げたスタッフは、手前味噌になるが、とても素晴らしい方たちが揃っていて、和気あいあいの中で仕事を分け合っている。よく見られる俳句や短歌の結社のような、縦社会ではないのもいい。嫌な顔一つせずに、奉仕をしてくださっている。県下広しといえども、こんな集まりは少ないと自負している。



これからも、それぞれの分野の会員さんたちと、自分の思いや、大自然の美しさや、感動を、自分のことばで表現していくことの楽しみを味わいながら、一冊の器に盛り上げていく喜びを共有していきたいと思っている。

これから先、私もいつまで続けられるか分からないが、皆さんの手足まといにならないよう、スタッフの一員として頑張っていこうと思っている。


2 件のコメント:

  1. ごまめさん、色々ご苦労をおかけしています。ほんとに立派な文芸誌ですよ。皆さんが損得抜きで、手間をかけて下さるので成り立っている雑誌ですね。

    どこに出しても自慢できる郷土文芸誌です。

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    1. miniさん。ありがとうございます。一般会員のほかに、特別会員ということで町外からも、優れた書き手を集めていますから、内容はいいものになっていると思います。(特別会員のかたには、会費も高くして、ご迷惑かけているのですが、感謝しています)

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