2014年5月11日日曜日

脚本その2


私が脚本に興味を抱き始めたのは、やはり、向田邦子さんの作品が好きということからだろうと思います。エッセイに興味をもち、読み始めた向田さんのエッセイが、とても面白く、こんな文章が書けたらいいなあと思ったのですが、そのうちに、憧れの向田さんの書く脚本も読むうちに、自分も何か書いてみようと思ったのです。
彼女の足元にも及びませんが、色々と舞台や映像を想像しながら書くのは、とても楽しいものです。

脚本は、人によって書き方は違うでしょうが、私は自己流ですが、テーマ―がきまれば、私の知っている有名な俳優さんを頭に浮かべ、配役を決めて書いていきます。
たとえば、4人の年配女性の物語でしたら性格的に、Aは杉村春子、Bは沢村貞子、Cは八千草薫、Dはお転婆の似合いそうな……といったような方を想像しながらしゃべらせていきます。そうしないと私のような素人は、途中から混乱してしまいます。スジの通らないものになっても困ります。

シニア劇塾の場合でも、あらかじめ、だれがどの役、と決めて書き始めます。それは、私だけの胸の内ということで、台本を指導してくださる先生に、配役はほとんどお任せします。おとなしい感じのAさんが私の思っていた役と違うこともあります。それは、Aさんを今回は違ったイメージの役をやらせて、Aさんの隠れた面を引き出すこともなさるからです。

教師時代、学芸会というものがありました。劇をする時、主役がいたり、その他大勢という役もあって、その差は、頭の痛い問題でした。
でも、一言しゃべるのに、一生懸命に頑張る子もいますし、長い台詞をすぐに覚えられる子もいたりして、それぞれが納得するわけですが、劇塾はそうはいきません。
劇塾に入ってくる人たちは、演劇に興味と情熱を持っています。皆さん、それなりの役どころを希望しています。熱心であればあるほど、自分の思うような役が欲しいのは当然のことです。それが分かるだけに、台詞の量も、あまりの差は付けられません。先生は、そういう配慮はしなくてよいとおっしゃいますが、つらいところです。
本職の役者さんなら、『一言が光る』役者さんに感動させられることがありますが……。()  明日に続きます。

 

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