2014年5月14日水曜日

行方不明の……


認知症の女性が、徘徊が原因で行方不明になり、7年目に夫と再会出来たというニュースが、先日ありました。

私は、そんなことが、今のこの情報時代にあるのかと、不思議でした。いくら手違いがあったにせよ、生きていて、しかも施設に入っていて、名前まで分かっているというのに、どうしてこんなことになるのでしょう。なんとなく、周りの人達の取り組みの甘さのようなものを感じました。

これからは、行方不明になる認知症のお年寄りは後を絶たないでしょう。私達の身近にも、よくあることです。『○○さんが、今朝から行方が分からなくなっています。云々』という報せが、マイクを通じて町中に聞こえるのです。マイクでは、認知症の方とは言っていませんが、認知症であることは直ぐに分かります。何時間かして、無事にみつかったという放送が流れますと、ほっとします。

以前、認知症の夫が、妻のちょっとした不注意で外に出て、汽車に跳ねられて亡くなった事件がありましたが、裁判所は、その妻に、JRの損害に対して、かなりの罰金を課しました。この判決には、疑問もあるように思います。ずっと、監視しているわけにはいかないことも、よく分かりますし、家族も大変です。この例から考えますと、この7年間の施設での暮らしの賠償を、要求されて、裁判にでもなれば、どうなるのでしょうか。

と、まあこんなことも考えさせられました。

こうしたことを見聞きしますと、自分もいつ認知症になるか分からないだけに、色々と考えさせられるのです。

認知症の早期発見とか、ならない為の生活習慣などなど、いろいろと言われていますが、あたりを見回しますと、何をしていても、なるときにはなる、というのが実感です。実感というよりは、覚悟といったほうがよいかもしれません。

『○○さん、近頃、おかしいになっとるらしいよ。あんなにしっかりしとったのになあ』『えーっ。どなになったん?』『財布を家の中で盗られるからいうて、警察に行ったんやって。そしたら、婦警さん二人が話聞いてくれて、外から入ってくる泥棒は、鍵かけておいたら入られんけど、家の中で盗られるンは、鍵かけることできんわなあ、って言うたけん、監視カメラつけたらしいよ』『へえーっ。監視カメラやかし付けるなんて、ようそんなこと思いついたなあ。で、それで盗った人、写っとったんやろか?』『そのカメラ、写らんらしいわ。どうせ、嫁が写らんようにしたに違いないって言うとった。嫁さんもええ災難やなあ』

こうした事実があるんです。ああ、認知症になるときは、可愛らしい認知症にならないと……。これは、日常の心がけで、どうにかなるかも。()

 

4 件のコメント:

  1. 姑を介護して困ったことがいろいろありました。今度は自分の番です。

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  2. まず物が無くなるんですよね。その時点では本人もしっかり生活をしているので、当人のいう事を誰も疑いません。先ず嫁が疑われます。私は夫が亡くなり、姑と2人暮らしでしたから、「家の中に泥棒がいる」と親戚中から疑われて辛かったです。

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    1. モニモニさんは、大変な目にあわれたんですねえ。今なら、「モノが盗られる」なんて言いだしたら、親戚の人も、認知がはじまったと、わかってくださるでしょうに。
      義母も、自分の写真帳の中の、何枚かが盗られているといって、怒っていましたが、私は呑気なので、何かの感違いでしょう、なんて言っていたのですが、写真帳のあちこちに、「盗られん」と、書いてありました。亡くなってから、みたのですが、私が盗ったとおもっていたのかもしれませんね。(笑)

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    2. すみません。mimiさんが、モニモニさんと間違って変換してしまいました。(笑)

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