2014年5月9日金曜日

反省の日


【難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く、面白いことを真面目に、真面目なことを愉快に、そして愉快なことは、あくまで愉快に】

……これは、作家の井上ひさしさんが書いたことばです。何かを読んだり、或いは書こうとするとき、ふと思い出すことがあります。思い出しても、このことばは、とても難しいことです。

私は、難しいことは書きたくても書けませんから、「どうしたら易しく書けるか」なんて悩んだことはないのですが、頭が良くて難しいことを書く方にとっては、易しく書くことはかなり難しいことのようです。専門誌に専門のことを書く場合は別ですが、一般の方たちに分かりやすく書くことは、必要なことで、分からないことを読み続けるという健気な方は、少ないと思います。読んでくれなければ書いても仕方がないと思うか、一人でも読んでくれたらいい、と思うかは、その方の考えでしょうが、私はやはり、分かりやすく書いてほしいと思います。

反対に、難しいことを書いてあると思ったが、よく読むと、易しい内容だった、というような文章に出会いますと、どうして難しそうに書くのかなあ、と思ってしまいます。

【易しいことを深く】ということもなかなか難しいことで、私のように、内容が深いわけでもない駄文を書いている者にとっては、お手上げです。結局は、自分の深さ以上のものは書けないということです。【深いことを面白く】なんて、とても出来ることでははありません。易しいことを面白く、ということは、努力によっては出来るかもしれませんが、これもそうしたセンスの問題で、自分だけが面白がっていることになるかもしれません。

【面白いことを真面目に】は書けても、【真面目なことを愉快に、そして愉快なことは、あくまで愉快に】ともなりますと、もう筆で生きている人たちなら別ですが、素人が自分のことばで書く文章では、かなりの実力を持たねば書けそうにありません。

私は、【書くことは楽しい】と思っている者なので、恥ずかしげもなく、こうしてブログを続けているのですが、やはり、自分の足跡が、少しでもましになるようにしなければ、と、今日は深く反省しています。(^^;;

 

2 件のコメント:

  1. 井上靖さんの言葉なんですか。いいですねえ。全く同感、私もそうありたいです。程度の問題でしょうけれど、自分に出来るならそうしたいと思います。

    短歌会をしていますと、何時も思うのですが、内容はないのに難しい言葉を使って、素適な事を言っている気分になる。「どうして?」と聞くと普通の言葉でいうとそれでも短歌か、と言われるから、と仰る。他にも色々ありますが、易しい、正直が1番。私も同じですがなるべく気取らないようにしたいと思っています。

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    1. 井上ひさしさんのことばです。 

      短歌も、そういうことがあるのですね。淡々と歌っても、すばらしい歌ありますよね。mimiさんの歌がそうですね。

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