2012年12月19日水曜日

ある学校風景


ある学校の校長先生が、廊下を歩いているときのこと。向こうから、生徒が歩いてきます。紙屑が落ちていたので「そのゴミ、拾っといて」と言いますと、生徒は、「お前が拾ったらええだろう」と、言ってすれ違いました。校長先生は、そのゴミを拾って捨てました。そのことをある父兄に言ったところ、「ほら校長先生が悪いわ。先生が拾って、生徒に模範を示すべきだわ」と、おっしゃったそうです。

私は、この話を聞いて笑ってしまいました。しかし、こうした現実は、マンガでも、笑い話でもなく、事実にあるのです。

最近の学校は、私が教師をしていた時代とは、まったく違った世界となっています。現場の先生方は、子どもたちの言動や親の言動に、やる気をなくしたり、ノイローゼ一歩手前になったり、職場放棄をしたくなったりと、大変な精神的苦痛を味わっているようです。

このような子どもたちや、その親たちを育てた親の責任、ということになれば、私たちの世代でありますし、その親たちを教育してきたのは我々です。

誤った自由主義や個人主義の中で育てられた世代が作る日本。一体どんな国になっていくのかと思うと、ぞっとします。

全部が全部、このような人たちでないことは、わかっています。でも、とても、安心はできません。
高等学校の朝の風景をみていても分かります。校門前で、毎朝何人もの先生たちが指導をしているのです。小学生を迎えるように。そして、「おはよう」と、先生は声をかけますが、生徒は知らん顔。

そういえば何年か前、こんな話をTVで見ました。東大の入学式のとき、学長さんが、新入生に、「挨拶のきちんと出来る人になってほしい」とおっしゃいました。日本のトップクラスの頭脳が集まっている大学生の訓示に、こんなことを言わねばならないのかと、思ったものです。

国造りは、人作りでもあります。礼節もわきまえない人間や、我儘人間に、いくらお金をかけて教育しても、いい日本にはならないと、思う者です。

 

2 件のコメント:

  1. 80代の私たちが悪いんでしょうか。出来る事なら時間を巻き戻してわが子を教育しなおしたいです。こんな事になるとは思はず、貧乏の中を苦労して大学出したのに・・・

    企業だって入社してから、挨拶の仕方、言葉遣いを教えるんじゃ大変ですよね。しかも、素直に聞かない。気に入らないと「ハイ、さいなら」そして、雇用がないと騒ぐ。どうしたらいいのか分からないですね。

    この間からの、嘔吐、下痢がやっと治ったのですが、体全体がだるくて起きていられません。五臓が体の外へ飛び出すのかと思いました。いつが来たら外へ出られるかなあ、と思っています。

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    1. 80代の私たちは、戦後、髪ふりみだして働きました。それでも、躾はしてきたつもりですよね。

      今の若者は、甘やかされて大きくなったのは、間違いないでしょう。先生も親も叱らない。

      叱るべきときには叱ることは、大切でしょうね。

      mimiさん。体調気を付けてくださいよ。
      嘔吐下痢の後は、しんどいのは当然でしょうが、そのうちに、体力がついてきたら、また元気になりますよ。お医者さんに、治らないと言われても、いつも治るのがmimiさんじゃありませんか。

      早く元気になって、

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