2012年12月6日木曜日

ご近所付き合い


団地という塊りがどんどんと出来た時代があった。
市内でも、ちょっと町はずれで土地の価格がそんなに高くなく、中流といわれていた庶民が、手に入りやすい価格で売りに出された所が多い。30年も、それ以上ものローンを組んで、家賃程度の支払いで、土地も家も手に入ったのだから、かなりの数があると思う。

そんな団地が、3040年たつと、そのほとんどが老人夫婦の家になっているのが現状のようだ。
子どもたちは、独立して核家族を作り、残された老人は、連れ合いに先立たれて独り暮らしだったり、施設に入って、だれも住んでいなかったりするものだから、団地の中は、昼間も静まりかえっているところが多い。

Yさんの住む団地も例外ではなく、通学する児童の姿など、みかけたたこともないらしい。
田舎と違って、若い時から、近所とのお付き合いもあまり無かったらしく、お隣さんが倒れていても、入院しても、亡くなっても、なかなか耳に入ってこない、といった塩梅とか。

元気なうちはそれでもいいのだが、いつまでも元気というのは無理な話で、いつかは自立の生活が難しくなってくる。そうした現状を、元気なうちに考えておくということは、あまりしない方が多く、「何とかなる」ぐらいに、深くは考えない。考えたくないのかもしれない。
急によぼよぼになるわけではないのだが、心準備は早いと思ううちに考えておくのがよいようだ。

そして何よりも、ご近所同士が、助け合いながら生きていくようなことも、考えておいたらと思う。街中の方たちは、そうしたお付き合いを「煩わしい」と思ってきたのだろうが、これからの大きな課題ではないだろうか。『遠くの身内より近くの他人』ということが、昔はよく言ったものだ。私達日本人の血の中には、そうした助け合う気持ちがきっと受け継がれているはず。老後を上手く生きていきたいものである。

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