2014年3月12日水曜日

ある老人の会話


A「高齢化の弊害ばかりが声だかに響くけれど、何となくヘソを曲げたくなるわ」

B「仕方ないわよ。事実なんだから。これから、どっと団塊世代が老人の仲間に加わってくるんだもの。どこ通っても、元気な老人ばかりになるわ。ほほほっ」

A「だけど、団塊の世代が、経済成長にも頑張ってきたのよ。目の上の瘤みたいに言うことないじゃない」

B「今はその団塊世代の高齢化が、国の屋台骨を揺るがし兼ねないと騒がれているのよ。なんたって、若者が少ないんだもの。仕方ないわ」

A「こんなことは、何年も前から分かっていたことじゃないの。団塊世代が働き盛りに積み上げてきた、たくさんの年金資金や、税金をどういうように使ってきたのか分からんけど、慎重さが欠けていたんじゃないかと思うわ。今更のように、この問題を声高く叫ぶのは、政府や役人のいい加減な認識の甘さとしか、考えられないわよ」

B「ま、そううことかもしれないけど、、こんなにも少子化になるとは、思っていなかったでしょうね。 少子化、人口の減少と、弊害ばかりが叫ばれているけど、何とかなるんじゃないかしら。日本人は、どんなときでも、頑張る民族だもの」

A「あんたは極楽トンボやものね。私はあの終戦当時の、朝ドラみていて、私らは、あの昭和20年代の苦しかった生活なんか見せられると、今の高齢者を邪魔者みたいにしたら、こらえんと思うよ」

B「邪魔者とは思うとらんやろう。国のやることには、不満もあるけど、個人個人は、皆、親を大切に思うとるやろうし……。ま、私らは、そんなに小さくなって暮らさんでええと思うし、堂々と生きとったらええやないの。僻むこともないし、ヘソ曲げることもないわよ」

A「高齢者が病気になりだしたら、自宅介護がええとかなんとか言うて、本人が、施設に入りたい言うても、施設に入れるのは、金持ちだけになるよ、きっと」

B「施設に入らんでもええように、元気でおらなあかんと思って気ぃつけていかんで。それが私らのような者の仕事と思うてな」

AさんBさんの言うことは、どちらも頷けるものがありました。


4 件のコメント:

  1. 今日は短歌会の予定でしたが、お天気が不安なので欠席しました。

    私が現職の時は受胎調節が、お国の方針でしてね。少なく生んで立派に育てるよう、指導せよ、という事で、現場の者は正直にお上に従いましたよ。当時、松田道夫と言う小児科の先生がいらっしゃいました。その方の本に、日本は将来を売ってテレビと洗濯機を手にした。後悔する時がきっと来る、と書いてありました。的中しましたね。

    人間は今の事しか考えられない。でも、何かのつけは必ず来るのよね。

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    1. へえー、そんな時代があったのですか。知らなかったわ。ま、一般的には、子どもの数は、ぐっと少なくなっていきましたが、テレビや洗濯機を買うためというよりは、沢山産めなかったように思います。共働きですからね。しかも、沢山産んだ親たちが、子はようけはいらんというてました。(笑)

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  2. それは、受胎を調節する技術を手にしたからですよ。人間は楽を選ぶ。共稼ぎ生活に「あれこれしたい。これも欲しい」と言う下心がなかったですか。目の前に餌をぶら下げられては抵抗しがたいのが人間。

    原発問題も同じ構図だと思います。原発がないと今の社会システムが維持出来ない、と言われると、何となく仕方がないか、と思ってしまう。けれど、文明と言うのは永久に続くものではありません。いつか行き止まりが来る。方向転換しなければいけない時が来ます。

    江戸時代の仕組みが、あっという間に変わったようにね。

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    1. mimiさんのおっしゃること、よく解ります。そういうことですね。

      私たちは、ほんとに激動の時代を生き抜くことになりますね。生まれた時と、死ぬときとの時代の違い、こんな時代はいままでにはなかったでしょうね。

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