2014年3月23日日曜日

『片付けたい女たち』


永田愛作・演出【グループる・ばる】演じる片付けたい女たち』を観てきました。ふた月に1度の演劇鑑賞会「徳島市民劇場」の例会でした。

幕が開くと、客席から、どよめきが起こりました。なんと舞台いっぱいの部屋の中が、すごい散らかしようなのです。なるほど、この散らかった部屋を片付けるのか、と納得。ただし、これは、単なる無精者の部屋、ということではないことは分かります。

都会に住む初老50歳を過ぎたツンコという女のマンションです。仲良し友達のチョビとバツミは、連絡のとれなくなったツンコを心配してマンションに訪ねてくることからはじまります。

驚きあきれる友達が片付けを手伝うのですが、部屋の主のツンコも、なかなか思うようには仕事がはかどりません。片付けながら、色々な発見があったり、捨てられない理由があったりするので、それぞれの人生模様が浮き出てくるのです。でも難しく考えずに、ユーモアに包んでいるので、気がるく観せて頂き、帰ってきてから、じんわりと、心の中の片付けということをも考えさせられるものでした。

永井愛さんらしい喜劇風の笑いのある作品です。昨今、よく「若い人は片付けない」ということをよく聞きますが、若い人だけではなく、中年も年寄りも、散らかした部屋に住んでいる人が増えているそうですし、ゴミ屋敷が社会的に問題にみなっている時ですから、初演は10年も前らしいのですが、今時ぴったしの作品です。しかも、国内に於いても、片付けられない問題が山積ですからね。(笑)

演劇であれ音楽であれ絵画であれ、芸術は、見る人、聞く人それぞれが、自分なりの観方をしていいものです。こんな自由は科学や数学の世界では、なかなかあり得ません。自由な鑑賞は、その人の知識や経験にもよりますが、楽しめたらいいものです。いくら○○賞を取った作品であっても、分からない、ツマラナイと思ったら、それはその人にとっては、あまり価値はないでしょう。

しかし、私などはもう間に合いませんが、子どもの頃から、いい作品、いい物に触れて大きくなっていくことは、芽を育てていく上では、大切なことだろうと思っています。

 

2 件のコメント:

  1. 子供の頃の環境って大切らしいですね。でもこれは与えられるもので自分ではどうにもなりません。

    考えて見れば人生って基本的に散らかしながら生きて行くのかも知れまっせんね。片付けてしまうとそこまでで後は何にもできない。

    散らかした物を拾い上げながら考える、いいですねえ。演劇って素敵。ごまめさんの脚本期待しています。

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    1. 片付けるという仕事は、あとがすっきりして気持ちがいいものですよね。片付けながら考えるので、はかどらない。(笑)

      今回書きあげたものは、有名?な【7人の部長】という高校演劇の台本を年寄り向きに書きました。内容(部活)は、まったくちがった写経部だのppkクラブだの。(笑)
      沢山の高校演劇やら、一般の演劇の団体がするフェスティバルなので、出入り自由。年寄りの劇など、見ないで帰ってしまうでしょう。気楽に描きました。

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