2013年2月26日火曜日

週刊朝日の中に……


本日発売の週刊朝日に、(徳島は27日)『【アベノミクスはエネルギー問題で頓挫する】浪人中の「陰の宰相」仙谷由人元官房長官が一刀両断』という見出しで、4Pにわたって、ジャーナリスト田原総一郎氏の質問に答えています。その一部を紹介しておきます。
 
迷走を重ねた民主党政権を実務家として支え、「陰の宰相」と呼ばれた仙谷由人元官房長官(67)は、昨年の衆院選であえなく落選した。だが、その舌鋒は相変わらず鋭い。安倍政権の弱点から民主党の限界、日中関係の今後まで、ジャーナリスト田原総一郎氏に全て語った。(以下、略しながら転写)

田原「……仙谷さんが落選したのは、大きな衝撃でした。原発の再稼働や、東京電力の実質国有化など、嫌だけど、誰かがやらねばいけないことを、あえて引き受けた。そんな人が、落ちるなんておかしいでしょう」

仙谷「そうした仕事が、今回の選挙には全てマイナスにはたらきましたね。(苦笑)」

田原「安倍政権発足2か月。アベノミクスについて、どう思いますか?」

仙谷「アベノミクスの決定的な欠陥は、日本はエネルギー資源のない国だという大前提が抜け落ちていることです。金融緩和で円安になり、輸出産業が儲かることで名目GDPが増加しても、逆に海外から購入する燃料費はかさんでいる。「ガソリン代が2割上がっても大丈夫か?と、いうこと。ひとつ間違うと、大変なことになります」

田原「安倍さんは、参院選までは安全運転でいき、そこで勝ったら憲法改正を目指すようです」

仙谷「自民党は、改憲が党是の政党だといっても、結党から60年近くたって、当時の自主再軍備路線をそのまま倫理的に正当化するのは難しいでしょう」

田原「あの頃は、サンフランシスコ平和条約によって再び独立を回復した直後で、冷戦時代でしたからね」

仙谷「今、憲法改正という非常に抽象性の高い大目標を立てても、日本の安全保障政策や防衛政策、内閣諸制度や地方分権について、何をどうするのかという具体案がないと、あまりに空虚な感じがします。さらに、国際政治の中で、安倍さんが唱える『戦後レジームからの脱却』に対して、人権論を重視する立場から批判がある。欧米や中国にとっては、世界人権宣言にあるように、貧困や専制隷従から脱し、自由と豊かさをみんなで得ようとすることこそが、戦後レジームです。安倍政権は、こうした戦後世界の価値観を否定するのか。自由や貧困の問題をどう変えるのか、きちんと説明しないと、国際的に通用しません」

田原「なぜ民主党は、そうしたことをもっと指摘しないのですか」

仙谷「なぜですかねえ。今の民主党は、野党であることを自己目的化した政党になってしまっているように感じますね」

田原「海江田代表や興石参議院会長は、生活の党の小沢一郎氏を呼び戻そうとしているようですが」

仙谷「私はそんな話は聞いておりません。小沢さんの力でもう一度民主党を盛り上げようということかもしれませんが、仮に小沢さんが戻ったとしても、何をするのか、生活の党とくっついても、数合わせの繰り返しでしかない。それは、日本の政治の現状とあまりにもかけはなれていますよ」

田原「仙谷さんと小沢さんは、どこが違うんですか」

仙谷「私の方がまだ【夢みる夢子ちゃん】の部分があってヤワなんです。() 小沢さんにとっては、権力を取ることが最大価値で、そのためには何でもありでしょうから。小沢さんの統治の手法は、『黙ってオレについてこい』という父権主義的なものです。昔はそれで機能したかもしれないが、現代のように、多種多様なメディアが存在し、組織に透明性を求められる時代では難しいですよ」

 続いて○違和感があった小沢氏の脱原発

   ○漁船衝突事件で対中パイプ活動

   ○民主党に必要な新しい第三の道  

についての話が書かれているのですが、最後に、こんな決意が書かれています。

田原「仙谷さんは、今夏の参院選に出馬するのですか」
仙谷「参院選には出ません。(註・参院選は、仙谷さんが長年仕込んである立派な現議員の中谷智司氏を応援しています)いつ行われるか分かりませんが、次の衆院選に出馬するつもりです

……と。これを読んで、私は、胸がドキドキし、そして感動しました。やはり、仙谷さんは、このままの日本では先が心配、という思いがあるのだと。頑張ってください。

 

4 件のコメント:

  1. 有難うございました。何がどうなのか、私にはよく分かりませんが、仙石さんの、お話は熟読しました。早く復活されるといいですね。

    返信削除
    返信
    1. 野党であれ、与党であれ、やはり、世界を見渡せる、そして日本のことを真剣にかんがえてくれる、しかも哲学をお持ちの方は、第一線で働いていただかねばなりませんからね。よかったです。

      削除
  2. 仙谷さんは、やっぱり偉い人です。このまま引っ込む人ではないと思っていました。ハッキリと言ってくれましたね、これを読んで気持がスッキリして、血が湧いてきたような気がします。仙谷さんにエールを送りま~す・・・ごまめさん、有難うございま~す。

    返信削除
    返信
    1. Kyamiさん。よかったですね。やはり仙谷さんは、どこに出しても恥ずかしくない政治家ですから、頑張って戴きましょう。

      削除