2013年2月6日水曜日

歌舞伎


歌舞伎役者・十二代目市川団十郎さんが、先日亡くなられました。芝居を見ない人でも、市川団十郎さんと聞けば、知らぬ方は少ないはずです。

私も、歌舞伎にはあまりご縁がなく、この歳がきても、歌舞伎を観たのは、たった3回しかありません。それでも、昔からの【名セリフ】といわれるようなものは、市井の人たちが、普段の会話のあちらこちらで使っていましたから、そんな言葉を、いつの間にか憶えてしまったものでした。「問われて名乗るもおこがましいが」「遅かりし由良之助」だとか、「こいつは春から縁起がいい」「知らざあ言って聞かせやしょう」「絶景かな、絶景かな」などといったものは、今の若い方たちには、「何?」と言われそうですが、よく聞いたものでした。
縁台で、将棋をさしている老人二人が「お若ぇの、ちょっと待っておくんなせえ」「待てとは、なんぞ御用でも」などといいながら楽しんでいた姿も思い出します。

亡くなられた団十郎さんのお父さんでいらした十一代目が、まだ若かりし頃、海老蔵時代のことでしたが、(私もまだ娘時代でした)とても美男子で、フアンがたくさんいらっしゃいました。独身のはずの海老蔵さんが、あるとき、週刊誌か何かで、妻子があることをすっぱ抜かれました。今のように、テレビがありませんが、そうとう話題になっていたと記憶しています。かなりアタマにきたフアンもおりました。「まあ、呆れたわ。独身と思いこんどったのに。しかも、奥さんという人は、家のお手伝いしていた人でなあ。男の子までおるんでよ。裏切られたわ」などと、本気で怒っていました。
歌舞伎の世界のことなど、まったく知らなかった私は、心の中で「それがなぜ悪いの?」と思ったりしたものです。

そのときの男の子が、亡くなられた団十郎さんと思いますと、ひどく自分が長生きしているように思います。

親子ともども、もっと長生きしてほしかったものです。合掌

2 件のコメント:

  1. みんな歌舞伎から出ている言葉なんですね。日常的に耳にする言葉ですが、歌舞伎とのかかわりは知りませんでした。

    有名な方が沢山なくなる冬ですね。ごまめさんもお気をつけてください。

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    1. 役者さんのような有名人は、生活のありかたも、不摂生なんでしょうね。体によくないこともなさるでしょうし、無理もされてますからねえ。

      mimiさんも私も、無茶はしてませんからね。イヤというほど生かされるかも。ああ怖い。(笑)

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