2012年4月15日日曜日

お金の使い道

今日もお金の話になります。()
ちょっと昔、きんさんぎんさんが双子の長寿者ということと、愛すべきお人柄もあって、百歳になられてからは、スターになってしまわれました。まだ記憶に残っていらっしゃる方は多いと思います。
あのお年で、超多忙なスケジュールでTVには出演し、あちこちに出かけられていました。むろんお仕事として行くので、出演料その他の報酬を手に入れられます。
そんなきんさんぎんさんに、ある方が質問しました。
「お二人は、この収入を何に遣われますか?」
「貯金します」
「貯めてどうなさるんですか?」
「そりゃあ、老後のためですよ」
多分、それを聞いておられた方は、爆笑なさったことでしょう。
こんなユーモアが出てくるたくましさこそ、人気の理由だったのでしょうね。

お金はあの世までは持ち込めないのですが、そうかといって溜まるものは貯めないわけにはいきません。百歳を超えても『貯金』は当然のことでしょう。羨ましい話です。

もうかなり前の話になりますが、それはそれはケチケチとお金を貯めて、それを使わぬままに、亡くなられた方がいました。
結婚はしたものの、妻は2年ほどでいなくなりました。食べさせることがイヤで追い出したのか、食べさせてくれないので去ったのかは定かではありませんが、その後はずっと独り暮らしで、60歳くらいで亡くなりました。

近所の人たちが、「ああ、気の毒に。せっかく貯めたお金で、好きなこともせずに死んでしまった」と気の毒そうに噂をしていたのですが、それを聞いて私は思いました。
彼は、けっこう楽しんでいたはず。毎夜、貯金通帳を眺めては、にこにこと笑っていたにちがいない。「オレさまは、この辺りの誰よりも金持ちだろうなあ」と、いい気分で威張っていたかもしれない。それに、彼が7080歳まで生きていたとしても、貯めたお金で贅沢三昧など出来るはずがない。死ぬまで通帳を眺めるだけで、満足な笑みを浮かべていたに違いない。それで十分幸せだったろう、と。
とやかく言われましたが、誰に迷惑かけたでなし、悪いことをして貯めたわけでもない、堂々と働いて、貯めたのですから、立派なものです。

話は変わりますが、この不景気を吹き飛ばすには、老人の財布の紐を緩めるのが第一とかいわれています。
高齢者が、預金を抱え込んで使わないので景気が良くならない、と、まるで不景気の原因は年寄りのようにいわれるのですが、使わないのではなく、使えないのです。
使いたくても使えない、というのは、先々の不安です。過去の長い人生で、いろんなことがありすぎて、苦労してきたことが原因なのでしょうから。

でも、お国の為となったら命まで、とは言いませんが、少しはお役に立てようと、定期預金を引っ張り出してくる方もいらっしゃるかもしれませんね。
さて、どうなさいますか? お国の為に、ここらで清水の舞台から飛び降りるおつもりで、定期預金を解約して、ドンチャンとやりますか? それとも、豪華客船に乗って、世界一周と洒落込みますか? (あ、そんなとき、間違っても外国船などに乗ったりなさいませぬように。『飛鳥』『日本丸』『パシフィック号』などなど、日本にだって、豪華客船はございますからね)

私ですか? 私はもう使い果たしております。葬式代ほどの残金があるのみであります。贅沢をしてきたつもりはまったくありませんが、金運というものがあるとすれば、私にはご縁のないものでありました。
命が余ってしまいましたが、病気になっても、延命治療など、一切不要。
お蔭さまで、今のところ、年金は私が死ぬまでくらいは頂けそうなので、その枠内で、生きていきます。贅沢しなければ、大丈夫です。少額ながら、これと思うところには、寄付も義援金も出すこともできます。たまには旅行に出たり、ファミリーレストランで食事も出来る、という結構な身分でございます。有難いことです。(^^)
これからも、年金が頂けますよう、祈っております。そのためには、消費税も仕方ないと思っている者であります。


2 件のコメント:

  1. 明日があるだろうと思うのは何歳になっても同じらしいです。私の周りの年寄も明日死ぬだろうとは誰も思っていないようですよ。明日があればお金がいるだろうとはみな思っています。

    現実はどうかと言うと、外食しようにも、噛む力が弱って、好きなものが食べられない。歩けないので旅行なんてとんでもない。外へ出ないと着るものもいらないし、物が増えると整理に難儀する。

    お金は使えないという事です。それでも、持っていないと明日何が起こるかわからないという不安があります。いい年になって、なお明日が不安と言うのは悲しい時代ですね。

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    1. 思うのですが、ケアハウスの方たちは、たまにしか外に出られなくても、、毎日、お化粧したり、お洒落をするのは、いいことだと思いますよ。
      あの有名なお鯉さんは、100歳で亡くなるまで、毎日、1時間かけてお化粧なさっていたそうですからね。
      mimiさんは、まだ外にでかけられることもおありと思います。しっかりお化粧・おしゃれ、なさってくださいね。

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