2012年4月24日火曜日

先送りの罪

「何とかなる」 という言葉をよく使うのだが、こと、ここにいたっては、「何とかなる」ではなく、「どうにもならない」となってしまったようだ。
日本の国のことだ。

私は国の経済のことも政治のことも、よくは知らないくせに、聞き齧りや読み齧りで偉そうなことを言ったり書いたりしてきたのだが、それでも、偏ってはいけないと思うので、反対意見も聞くことになる。
反対意見にも、納得いくものもあれば、納得いかぬものもあって、その辺が難しいところである。

「増税より先に、無駄を省く」などと、簡単に言う議員もいる。無駄を省くなどといったところで、どれだけのお金が捻出できるのか。必要なだけは無論のこと、言うほど出てこないことは、議員なれば分かっているはず。

公務員の給料を減らし数を減らすことは、よくやっていることだが、これだつて限界があるはずだ。無理をすれば、国の仕事をする人財の質を落とし、過労死を増やすことにもなりかねないと思う。
どこの何を減らすかの具体性がない場合も多い。掴みどころがない。

また、日本の借金である国債は、ほとんどが国民のお金を借りているのだから、心配ない、と、今も言い続けている方もいらっしゃる。お札を印刷することを控え過ぎているから、いつまでもデフレ脱却ができないともいう。
かなり研究なさっていて、その方の節も一応なるほどと思うのだ。

しかし一方、増税やむなし、借金は限界という説は、それ以上に私は納得できる。今までは国民の借金でやってこられたが、もう、国民が貸せるお金も減ってきた。国民の貯金のうち、新しく出せる残高はわずか100兆円しかないという。身うちの財布の底がみえてきたということだ。過去2年間の新しい借金は90兆円近いのだから、この上震災復興国債が増えたらどうなるのか。
その上、貯蓄率というのが、急激に低下しつつあるらしい。それは、団塊世代が現役を引退し始めたので、無職の世帯が増えて、預金を切り崩し始めたらしい。
預金が減ると、銀行も国債など買えなくなる。外国に借金ということになるのだろう。
税を納める労働力も減少し、世界も日本の先行きを疑問視しはじめている。

思うに、高齢化や少子化は、前々から分かっていたことなので、切羽つまったからと言って、消費税値上げと言っても間に合わないのだが、(消費税10%でも、焼け石に水らしい)今まで借金返済を先送りしてきたのは、一体だれが悪いのだろうか。

ちなみに消費税は、イギリス20%、ドイツ19% フランス19.6% そしてスエーデン、ノルウエイ、デンマーク25%である。これらの国は、政治家や国民が、将来を見極めて、現実から逃げずに勇気をもって、早くから皆に呼びかけた結果であろう。

日本はどうか。近い話、菅内閣が2010年、参議院選挙を目前にして、「消費税引き上げの可能性」を口にしただけで、民主党はずっこけた。「消費税増税を口にしたら、当選出来ない」のムードは、ますます濃くなっている。

これは、国民一人ひとりの考え方が、政治を動かしている、ということではないのか。
今頃、消費税反対などという議員の多くは、自分の身を守ることしか考えていないと私は思っている。
延ばせば延ばすほど、大きな負担となって返ってくると思う。子や孫を苦しめる前に、我々が、少しでも負担を担うべきではなかろうか。

議員さんたちにお願いします。勇気を出して、この現状を訴えてください。全員がそれを唱えたら、国民は、どうしようもありません。消費税云々は、完全に選挙戦の道具から外されます。


2 件のコメント:

  1. お国は大分困っているようですね。つまり国民もこのままではいけないと思っているって事。勿論、政治家に責任はあるでしょうが、国民も考えないとね。

    思うに、今の生活の仕方事態に問題あり、と私は思うのですがいかがでしょう。

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    1. mimiさん風邪は少しはよくなられましたか。

      おっしゃるように、今の生活の仕方は、大いに問題はあるでしょうね。
      でも、生活の仕方を変えるのは、難しいことでしょうね。
      私たちの世代だけなら、かなり貧しくなっても耐えられそうですが。

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