2012年5月1日火曜日

八十八夜

窓をあけると、木々のムンムンする匂いが、あたりいっぱいに広がってくる季節がやってきた。そう、5月だ。今日はその5月1日。八十八夜でもある。

八十八夜と聞けばすぐ口にのぼってくるのが茶摘唄である。文部省唱歌『夏も近づく八十八夜……』と、子供のころは『せっせっせ』をしながら、毎日唄ったもの。

最近の子どもは、歌に合わせて相手と、手と手を打ちあう『せっせっせ』という遊びを知らないようだ。
今思うと、よくも飽きずに、せっせせっせと毎日遊んだものだと感心するのだが、あのような遊びのない今の子どもたちは、気の毒と思うのは私だけだろうか。

『せっせっせ』も懐かしいが、歌そのものも、大人になってからもよく口にしたものだから、私の鼻歌のレパートリーの中の一曲となっている。
多分、私、痴呆になってもこの歌は忘れないだろう。いや、頬を緩めて手を叩き、この歌を唄って野道を歩き回るやもしれぬ。用心用心。

私の住むところは、『野にも山にも若葉が茂る』ような風景が、いたるところにあって、見飽きてしまうのだが、故郷を離れて都会暮らしをしている人達にとっては、望郷の思いと重なって、懐かしいに違いない。歌も唄い継がれていったらいいなあと思う。

今年は、春が遅れてやって来たものだから、生活のリズムも狂わされる日が多かった。三寒四温じゃなく、五寒四温。しかもその差たるや、扇風機とストーブを代りにつけたいほどの温度差に、身体はぶつぶつと文句をたれるしまつ。本来なら、春は明るく、心浮き立つ季節であるはずだが、そんな暇もないまま、夏支度を強いられそうだ。

おまけに長かった冬を取り戻すかのように、庭一面の雑草どもは、天を突く勢いで伸びてくる。痛い腰を擦りながらの草取りは、1時間と続かない。
「あんたら、どうして怠けないよっ」と精いっぱい頑張っている雑草どもに文句を言い、「勝手に伸びろ」と匙をなげ、そのうち「我が家は荒れた庭がよく似合うでしょう」と、来客に先手を打つ。
ああ、そんな日ももうすぐやってくる。

2 件のコメント:

  1. 今年の春はほんとに冬と夏が交代にやってきましたね。体が悲鳴を上げてとうとう、風邪で寝込みました。これではならじ、と昨日10日振りにリハビリセンターへ行って、2時間ほど運動したら、今日は何と筋肉痛です。

    でも、いくらなんでも、寒さもしまいだろうと、今日はヘルパーさんに冬物を入れた、大きな段ボールを2個天袋に上げて貰いました。

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    1. mimiさん、私はまだ冬物を片づけてないです。また、寒い日もあると思って。今週いっぱいは、怪しいですよ。
      風邪をひかないようにしてくださいね。

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