2012年5月21日月曜日

怒る


15日から3日間、旅行したことを書きましたが、その第一日目のことです。

そのホテルで会をしたのですが、集まっているのは、殆どが退職した女教員でした。いわゆるセンセの古手です。そして年寄りです。

会が終わったとき、宿泊する人達に、ホテルの方が、注意事項を3つおっしゃいました。

①館内を走らないでください。(走って怪我をする人もあるのかも。でも、走りたくても走れそうにない方ばかり)

②分からないことは、聞いてください。(これは言われなくてもそうしますよ)

③怒らないでください。(思わず笑いました。年寄りはすぐ怒るのでしょうか。日常、フロントで文句を言っているのは、大方年寄りなのかも知れません)

「怒り」というのは、愛情と一緒で、気持ちの中に、むらむらっと湧いてくる一つの感情ですから、人それぞれ違いがあります。
人間が怒る原因は色々ですが、多くの場合、自分が正しいと思っているので怒るのでしょう。

私は怒ることをあまりしない性格ですが、夫はよく腹を立てて怒りました。
理由は些細なこと。私は(そんなこと、どうでもいいじゃないの)と思うのですが、ご本人にとっては、我慢ならないらしいのです。
世間では、そういうような人を「気が短い」と言います。

私の夫は、自他ともに認める気の短い人でした。
そんな亭主と暮らしていますと、怒られる原因がないのに怒られることがよくありました。

例えば、夫の大きなゴミ箱のような書斎を「片付けるな」というので、私は辛抱して片付けずにおりますと、そのうち、決まって「あれがない、これがない」と騒ぎだし、私のせいにして「触るなと言っておいたのにどうして触ったのか」と、怒りだします。

もうこうなったら「触ってない」と言っても、通りません。「触らぬものが無くなるかっ!」と、怒鳴ります。こうなったら逃げるが勝ちです。太刀打ちできません。庭に出て、草でも引っこ抜くのです。力まかせに。(笑)

ただ、私が怒りたいようなことに出くわせた時、私がよう怒らずに我慢していると、変わりに怒ってくれます。

こんなこともありました。県内で、国体があったときです。TVでは、盛んに放映していました。それが終わって、すぐに身体障害者の国体があるのですが、そのときのことです。
障害児の教育に関わっていた私は、TVをつけてみたものの、何の放映もないのです。

夜、そのことを夫に告げますと、いきなり放送局に電話をして、理由を尋ね、その理由を聞くや否や、怒鳴りました。そして偉い人を出せ、と言うのですが、不在と聞くと、東京のNHKにまで電話をして謝らせました。(笑)

そんな夫も、平成7年、まるで暖簾でもくぐり抜けるように、あっけなく倒れました。64歳という、まだこれからの人生を楽しむのに十分の年月を残して逝ってしまいました。気の短い夫らしい最後でした。


2 件のコメント:

  1. 怒らないで下さい。には噴き出しましたねえ。暫く笑いが止まりませんでした。年配のご婦人ってそんなに怒るものでしょうか。

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    1. mimiさんの入られているケアハウスでは、どう?
      トシとともに、怒りっぽくなった方、いませんか?

      ホテルのフロントで怒っている方を想像してみますと、
      けっこうしっかりしたお方、元センセなんていう方が多いかもね。
      ホテル側が先手打つのも分かる気がします(笑)

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