昨日は、隣組の高齢?女性が、我が家に7人集まった。
班長は持ち回りで、今年はNさんである。
Nさんが先日、相談にやってきた。
「この6班も、退職して家に居る女性が増えたけど、これから、皆がセンセのように元気にやっていくためにも、何か話し合いの場をつくってほしい。年寄りになると、ご近所のお付き合いも大事と思うので」
とおっしゃるのだ。(学校の先生の古手は、退職してまでも、「センセ」と呼ばれるのて困るのだが、いくらお願いしても一向に名を呼んでもらえない)
私としては、特別元気なわけでもないのだが、皆さんの目には、元気婆さんに映っているらしい。
ともかく、気易い方たちばかりなのだが、同じ班とはいえ、我が家は、家の周りが田んぼなので、他の方たちのように、顔を合わせるということも少ないし、よく出かけるものだから、近所の皆さんがどうしていらっしゃるのやら、よくは知らない、という負い目もあるし、退職した方たちが、毎日テレビの前で座り込んでいらしたのではよくないという思いもあって、一度集まっておしゃべりでもしましょう
ということになったのだ。
パートに行ったり、会社に勤めていたり、ほとんどは外で何らかのお仕事をしていらした方たちなので、退職したからといって、このまま、老けこんでいくのはイヤと思うあたりは、さすがである。けっこう前向きなのだ。そして、おしゃべりも大好き連中で、ストレスも吹っ飛ばす程よく笑う。
安い散らし寿司を用意し、班長さんにお手伝いいただいて、具沢山のお味噌汁やお菓子、果物を用意する。会費実費の500円
来るなり皆さんの会話は弾む。
「センセは忙しそうやなあ。お人がよう来よるなあ。うちからセンセとこの庭がよう見えるんよ」
「そうよ。貧乏暇なしというのは私のことだわ」
「夜も集まってくるんやな」
「夜しか集まれない人もいるからね。何台もの車が帰って行く時、やかましいない?ちょっとした相談ごとでも、喫茶店に集まるよりも、うちに寄るのが気易くていいということで、よく集まってくるんよ」
「お茶出したり、コーヒー出したり、手間かかるじゃない」
「人さんが来てくださるのは、ありがたいことよ。こんなボロ家でも、気易くて落ち着く、なんて言ってくださると、ああ、少しは皆さんのお役にたつことが出来ると思って嬉しくなる」
「私は、他人さんが家に来るのはめんどくさいわ。掃除からせんならんもん」
「人が来てくれるおかげで、掃除もできるんよ。身体動かして、ちょっぴりサービス出来て、喜んでくれるのよ。楽しいわよ。年とるとね、迷惑かけないで死にたいなんて言う人いるけど、病気になっても、死ぬ時も、誰かに迷惑かけなきゃ死ねないのよ。だから、元気なうちは、少しでも人様のお役にたっていたら、ま、少々迷惑かけてもしかたないやって、気分的にもいいのよ。ボランティアだって、自分の為でもあるの」
「それは解かるけど……」
「私はこの頃、することないから、よくTVの前に座っとるんよ。センセはテレビや、見る?」
「テレビは、殆ど見ないなあ。観なければ観たいとは思わないものよ。観たいものもあるけど、用事してたら、忘れてしまって、ほとんど見ない。どうしても見たいものは、録画しておくの」
「私は用のないときはほとんどTVの前で座ってるなあ」
「へえー。そんなに見てたら随分いろいろな知識が身につくやろう?」
「しょうもないことだけな。はっはっは。『嵐』が好きなんよ。それと『韓ドラ』のことは、よう知ってるわよ」
「アラシ?あの孫の好きなアラシが? 若いじゃん」
「ま、私らかて、若い男はん観てる方がええわよ。爺さんみてるより」
「ほらそうや。でも、男はんも言いよるよ。ババア観てるより、若い娘がええって」
「ところでKさん、もう4人の子供さんも大きくなって一人前になったんだから、睡眠時間2時間なんてことはないだろな」
「でも、布団に入って寝たことないなあ。もう癖になってるんよ、ごろ寝するんが」
「えっ?まだごろ寝?もう旦那も退職したんだし、少し楽したら?身体壊すよ」
「あんたは、朝3時起きして弁当屋に仕事。帰ってきて朝の炊事して皆に食べさせて会社へ。力仕事の方が給料が高いからと、男仕事に回してもらって夕方帰宅。夕飯の用意して皆に食べさせて、洗濯して干して、ちょっとTVみて、皆が寝るころから、パチンコ屋の掃除にいく。帰ってきて2時間ごろ寝して朝の仕事……。
こんな生活何年してきたかしらねえ。よく頑張ったじゃないの。もうそんな無理したらあかんわ」
「ほなけど、あの日野原いう100才のセンセは、2時間くらいしか寝てないらしいよ。それでも元気やからな」
「あんたは無理や。好き嫌いが多くて、おかずは肉も魚も嫌いだし、果物もきらいだし、丼に御飯ばかり3杯も一度に食べたって、栄養は偏ってるよ」
「私って、御飯大好きなんよ。御飯さえあれば、おかずなんか、なんやいらん。はっはっは。ほんでも病気はしてないよ」
「病気になってからでは遅いがな」
「検診うけてる?」
「仕事場で、年1回は受けてる」
「まだ仕事いってるの?」
「毎日でないけどな。小遣いくらいは儲けないとな。」
「金持って死ねんのよ」
「持って死ねるんやったら、もっと働くんやけどな」
「タフなおなごはんやなあ……。あんたの真似はでけんわ」
「それにな、暇とお金の余裕ができたら、たまには化粧くらいしな。これからは、お肌だって皺になっていくんよ」
「そんなものしたら、顔がびっくりして腫れてくるわ。風呂に入った時だけ、石鹸で洗うだけで、ずーっときたんやから」
「そのわりには、色は黒いけど、きれいな肌しとるなあ」
「栄養とってないのになあ。はっはっは」
「化粧品なんて、つけてもつけなくても、どうってことないのかしら」
「化粧して見た目綺麗になるだけでも気分いいわ。私は死ぬで化粧するよ」
「やっぱり女が化粧せんようになったら、もう、本物の婆さんだわ」
「ほな、私は娘の時から婆さんってことかいな」
「ま、化粧は字のごとく、化けることやから、あんさんように、化けなくても、亭主に大事にされてるんやから、好きにしたらええわよ」
「大事に何かされとらん。便利に使われとるだけや」
「ほな離婚したら?」
「今するくらいなら、若い時しとるよ。まだ嫁に行けるときに。はっはっは」
……女たちの怪談は、どこまでも続くのだ。
ごまめさん、またお手間のかかるお世話を引き受けたの。まあ、ご近所さんも大切ですものね。お仕事を持っていた人はどうしても、ご近所と疎遠になりがち・・・いい機会かもしれませんね。
返信削除楽しそうな会で羨ましいです。もっとも、ごまめさんが入るとどんな会も楽しくなるでしょう。
よく笑い、よくしゃべって、皆さん、またの日を楽しみにお帰りになりました。
削除最高齢者の私は、皆さんから、元気をいただいたかっこうです。(笑)
集まった方たちが色々な人生経験のある方たちなので、面白いですね。同級生の集まりとは、また違った雰囲気があります。