2012年6月13日水曜日

歪んだ社会


国会でも、生活保護の問題が取り上げられている。あるタレントさんの母親が、生活保護を受けていたということで、大きな話題となったのだが、この借金だらけの国で、生活保護費がかなりの額をしめているというのは困った問題だろう。

人間、働かざるものは食うべからず、という言葉が流行った時代があったが、今はそんなことは言えない。さしずめ私も、どこからも賃金はいただいていない【働かざる者】なのだ。

世界は貧富の差がどんどん広がっている。この日本でも小泉政権の「アメリカに習え」の政策で、その後はおかしくなってきた。それまでの日本人の生活は、それなりに安定していたのだ。中流と思っていた人達は、たくさんいた。

小泉氏の規制緩和政策の正体が、はっきりと牙を剥いて労働者世代を直撃し始めて慌てだしたが遅すぎた。弱肉強食時代に入り、職場を追われて弱者になった市民は多い。
一旦こうした社会に突入すると、そこから脱出するのは大変なことなのだ。

でも、私たち国民は、『今のままではどうにもならない』と、やっと政権交代を成したのだ。

しかし、『改革』というのは口でいうより難しいことがよく解った。50年かけて出来上がった病巣を2年や3年で健康体に直すことは、だれがしても無理だろう。イザとなれば無駄を削ることがどれだけの抵抗があるか、想像以上なのだ。

官僚政治の打開も、その壁は厚い。半世紀以上自分たちの思いのままにやってきた頭脳集団だ。手強いのは当たり前。
官僚と国は、反発しあっていては絶対に良い政治は生まれない。(難しい官僚と、渡り合える議員、すなわち、官僚が従わざるを得ない数少ない議員のひとりが、仙谷議員と聞いたが、さもありなん。インテリヤクザ的なところがある彼だが、人間的に信頼されているのだろう)
それまでの自民党が、何もかも官僚に丸投げにして、そのかわり官僚には好い目をさせてきたのだから、おいそれと座り心地のよい座布団を椅子から放り出すはずがない。

官僚にしてみれば、勉強もしない議員センセを威張らせながら、口には出さないが、「あんたさんたちより、私らがずっと頭よろしいんでっせ。勉強もしてますんや。私らのすることに、口を出さんほうが、日本の国はうまくいきますんや」と威張っていたにちがいない。

ま、本当に国の為にやっていた、とは思えないことがたくさんあり過ぎるので、いくら頭がよくても、人間いうもんは、偉くなると堕落するのやなあと思わざるを得ない。
本当に国家のための官僚であれば、厚遇することに何ら憚ることはない。どこの世界だって、それなりに厚遇しなければ、逃げられる。引き抜かれる。優秀な人材が、官僚になるのを嫌がるようでは、国が危ない。

宿舎だって、タクシーだって、只でもいいくらいだ。でも、程度というものがあるだろう。やり過ぎた。これは、国会議員にも言えることである。

民主党は、私たちの目に見えにくいところでもよく頑張っているようだ。宣伝をしないので、いかにも何も進歩していないかの如く野党に言われるのだが、そうではない。こつこつとやってきた改革の跡は見えてきた。

あの大震災の時だって、よくやってきた。だれがやっても、ああいう事態が発生すれば百点の行動は難しい。

それにしても、国会議員のセンセたちが、【民主主義】のルールを守れないのはいかがなものだろう。多数決というのは、よきにつけ悪しきにつけ、守らねばならないルールなのだ。学校だけでないらしい。どこの世界にも、問題児は居るようだ。

私たちは、官僚は選べないが、議員を選ぶことはできるのだ。
総選挙も、いつ起きても不思議ではない事態になっている。ただただ政権奪回を狙う野党議員たちに、飲み込まれることなく、私たちは、初心を忘れずに、新しい日本作りに応援をしていきたいものである。


2 件のコメント:

  1. 昔は、お上に縋って生きるのは恥だ、と言う思いがみんなにあって、援助を受けるなんて死んでも嫌、と言う人が大部分でしたね。日本人の価値観が変わったんでしょうか。

    お国に優秀な官僚は必要だと思います。政治家と程よい距離を保って欲しいですね。奢るものは久しからず、です。

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    1. 昔は、息子と同居していれば、何とか食べさせてもらえましたが、核家族になって年寄りになると、お上のおせわにならざるを得ない人が増えるのでしょうか。皆で渡れば怖くない、というか、多くなると、貰わないとそんの気持ちもあるのでしょうか。
      便利な世のなかになっても、住みにくい世の中です。

      官僚に嫌われると、知っていることも教えてくれない。資料をだしてこない。出し惜しみする。……なんて、意地悪されるらしいです。(笑)

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