2013年5月14日火曜日

コレステロール


コレステロールが、多くの人から目の敵にされているようですが、
コレステロールは、そんな悪者ではない、という三石理論のことを要約しておきます。

コレステロールは、病原体のようなものではないし、これが直接成人病を引き起こすものでもない。コレステロールは、体にとって、必要不可欠なものである。これがなければ、健康な体にはなれない。
体は、小さな細胞が集まって出来ている。皮膚なら、約、4週間で代謝回転するように、常に新しいものに作り替えられているから、その材料となるものを、いつも用意しておかねばならず、それを食べ物で取ったり、体内で作りだしたりしている。脂質であるコレステロールも、細胞を作る時に必要な材料の一つである。

全ての細胞は、細胞膜に包まれているが、その細胞膜をつくる成分として、コレステロールはきわめて重要な成分なのだ。コレステロール不足が、ガンを招きやすいと言われるのもそのためである。細胞膜が弱いと、その部分がガン化しやすいのだ。
また、皮膚にあるコレステロールは、紫外線を浴びるとビタミンDの前駆体というのになる。ビタミンDは特にカルシュームの吸収に必要とされるので、コレステロールが少ない人は、ビタミンDが不足し、その結果骨に影響する。
その他女性ホルモン男性ホルモン、寿司レスを受けたときに副腎皮質から分泌される抗ストレスホルモンなども、コレステロールがなければつくることができない。このように、重要なものなので、コレステロールは体内でも作られている。肝臓でつくられているコレステロールは、食品から摂取しているコレステロールの数倍になるだろう。

コレステロールは、肝臓で、リポタンパクという蛋白質に包まれる。いうなれば、宅配便のパッケージのようなもので、いくつかの種類がある。その中で、しばしば問題にされるのが、善玉(HDL)と悪玉(LDL)である。悪玉が肝臓から発送されて、コレステロールを必要とする組織へ運ぶのに対して、善玉は、例えば血管壁などで、余ったコレステロールがあれば、それを元の肝臓へ持って帰る役目をしている。往路LDLにはコレステロールが多いが、復路のHDLにはコレステロールは少なく、変わりにレシチンが多い。HDLは回収したコレステロールを、LDLに戻すこともやっている。

そもそも、血中コレステロールを動脈硬化や、心臓病の促進因子という考え方からだが、LDLに対して、HDLの割合が多ければ、問題は生じない。それが、HDLを善玉とよぶゆえんであるが、どちらもそれぞれに任務をもっていることを忘れてはならない。必要ゆえに、わざわざ梱包されて運ばれているのだ。

コレステロールが身体にとって問題なのは、この梱包が壊れてしまったときである。移動中に、活性酸素という有害物質にぶつかるとリポタンパクが酸化され、梱包がほどけてしまう。(活性酸素は、ガンを含めたさまざまな病気や老化の原因となる)そしてこぼれたコレステロールが、掃除されるのだが、それが多くなると、脳こうそくの原因のアテロームという物質をつくりだす。

要は、壊れたゴミになったコレステロールをうまく処理することが大切なのだ。体内の不要物は、大便か尿にまじって排泄されるのが普通だ。ところが水に溶けないコレステロールは、腎臓で処理出来ないため、胆汁にまじって捨てられる。ただし、それには条件がある。レシチンという物質と一緒になった時、コレステロールは胆汁として出て行ってくれる。このとき、ビタミンCとEが加勢する。
善玉は、最初からこのレシチンを一緒に用意しているので、梱包がほどけても、すぐにレシチンがコレステロールを道連れにして体からでていく。
一方悪玉とよばれるものは、レシチンが少量である。しかし、レシチンは、卵の黄身や、大豆などに含まれているので、口から摂取すればいいのだ。これを十分とっていれば、余分なコレステロールは、適切に処理され、アテロームも発生しない。

と、まあこういうことであります。

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