2013年5月16日木曜日

核武装


今日の新聞に、原子力規制委員会の専門家チームは、昨15日、敦賀原発の2号機の原子炉建物直下にある断層を活断層と断定したと書いてある。ということは、2号機は、再稼働が難しくなったのといことだが、それにたいする反発もかなり大きいようだ。

また、同市のもんじゅは、使用済み核燃料から、プルとニュームなどを回収して、再利用する施設なのだが、今までにトラブルがよくあって、停止中。その施設も、再会に向けて準備をしてきたが、敦賀原発の稼働が難しいとなれば、当然もんじゅも再会が凍結されることになる。

こうした新聞記事を読むと、いかに原発問題が複雑で、ややこしいかが分かるのだが、さらに、ネットでこんな、物騒なことを書いている評論家(田中 宇)がいる。これは、どうも根も葉もないうわさではないらしい。転写しておこう。

 
安倍政権の周辺からは、日本が核武装すべきとの世論を盛り上げようとす る動きがある。
日本外務省は、06年9月に、日本が核兵器を作るとしたら3-5年の時間と、3000億-5000億円もの経費がかかると試算した報告書を作っている(報告書を、防衛省でなく外務省が作った点に注目)。

日本は核兵器を作る方向を模索していると考えられる。現実を見ると、六ヶ所再処理工場の正式稼働は困難だ。政府内で六ヶ所を正式稼働させたい勢力がいることに対抗し、原子力規制委員会は5月15日、プルトニウムを燃やす「もんじゅ」について、1万個の機器に点検漏れ(保安規定違反)があったことを理由に、再稼働に向けた準備をやめるよう命令した。もんじゅが動くめどがなければ、六ヶ所の正式稼働を急ぐ必要も減る。

この決定は、六ヶ所正式稼働を急ぐ政府内勢力に対する原子力規制委員会からの反撃だ。日本政府の中枢で、核武装したい勢力としたくない勢力がいて暗闘している感じだ。
最近、もんじゅだけでなく、一般の軽水炉の再稼働を困難にする決定がいく つも出されている。原子力規制委員会は5月14日、福井県の敦賀原発2号機の直下に活断層があると判断する決定を下し、敦賀2号機は廃炉の可能性がぐんと高まった。青森県の東通原発の敷地内でも活断層が見つかり、建設中や完成後数年しか経っていないのに廃炉の可能性が高まっている。今夏は電力各社が電気を安定供給できそうだとの見通し記事も出た。電力を安定供給できるなら、国民の不安を押しのけて原発を再稼働する必要がない。以前の記事で予測したとおり、国内原発の再稼働は拡大しそうもない。稼働中の福井県の大飯3、4号機も、次回の定期点検で運転停止した後、再稼働できるかわからない。

安倍政権の肝いりで、日本企業がトルコで原発新設を受注しそうだという報道が出る半面、米国では原発の新規建設が次々と頓挫し、原発の新設が全くできない状況になっている。シェールガスブームなどによる石油ガス相場の低下もあり、数年前に比べ、米国の状況は激変した。
先進諸国では原発がすたれていきそうな半面、中国と韓国は、日本が核燃料
の再処理を稼働したがるのを横目で見ながら、日本に負けない核燃料再処理をやりたがっている。

これまで再処理を自国内でやっていなかった中国は、フランスの政府系原子力産業アレバに再処理工場の建設を発注した。日本の六ヶ所と同規模の再処理工場だ。

韓国は、米国と締結している原子力協定を改定し、これまで同協定で許されず米国に委託してきた核燃料再処理を自国内でやりたいと言い出している。日本がプルトニウムを増産するなら、うちも負けられないというわけだが、米国は韓国の要請を断っている。日本の核燃料再処理の拡大は、中国や韓国が対抗して再処理を拡大する動きを呼んでいる。米国はこの点も懸念している。日本が再処理拡大を通じて核武装し、対抗して韓国も核兵器を持ち、中国は保有核兵器を増やすかもしれないからだ。

米国の懸念が当たっているなら、日本は急いで核兵器を開発しようとしている。日本が急いでいないなら、先にもんじゅや軽水炉群を再稼働していき、プルトニウムを核燃料として使う必要があることを世界に示し、世界に納得してもらってから再処理工場を正式稼働すればよい。そうした気の長い話をすっ飛ばし、国内原発がほとんど稼働していないのにプルトニウムだけ作りたがる日本は、急いで核武装したがっていることがバレバレだ。
日本が急いで核武装したがる理由は何か。北朝鮮の核武装か。中国の脅威か。
私が見るところ、本質はいずれでもない。日本政府、特に、核武装の計画書を書いたことがある外務省が考える至上の国是は対米従属だ。北朝鮮や中国の脅威拡大は、日本が米国の核の傘にしっかり入る好機であり、むしろ日本が核を持たず丸腰であり続けた方が、日米同盟の強化に好都合だ。】

 
私たち市民は、【裏】を読む力に乏しい。こうした現実があるのは、考えられることだ。原発で生活している市民や町村のあることも、分かるのだが、政府の中で、核武装をしたがる議員がいるなんて、どう考えてもおかしい。平和憲法の元で、核武装なんて……。

2 件のコメント:

  1. 原発と聞くと途端に脳が身構え、動かなくなります。短歌を作っている時は滑らかなのに・・・

    原発=何が何やらわからない。世界中がこんがらがって、有刺鉄線を丸めたよう。解くにほどけません。手に負えません。

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    1. 原発だの核兵器だの、作りだした科学者をうらみたいですね。地球をこわしてしまうものですからねえ。

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