2013年6月17日月曜日

思うこと その2



同級生のYさんは、20年前に夫を亡くしたが、数年前から、認知症になっている。「ちょっとおかしい」と思ったので、同居している娘さんに、病院で見て貰うことを勧めた。

家族は気がついていなかったらしく、半信半疑で医者に見せた。医者は、認知症の初期ということで、さっそく薬を飲み始めることになった。薬は、認知症を直すことは出来ないが、進行を遅らせることは出来るらしく、毎年の同窓会は、自分で通知を読んで、出席の返事を出していた。家族も、「皆さんには、迷惑かけるかもしれないけれど、本人は、出歩くのが好きだから、なるべく好きなようにさせたい」ということで、会場までの送り迎えをしたりしていた。

ただ、昔のことはよく憶えていて、同窓生との会話は、難なく出来るが、時間がたつと、同じ話を繰り返すのと、2年ほど前からは、誰に連れてきてもらったか分からなかったり、席を立つと、自分の席が分からなくなってしまうとかで、いつも、隣席の者は、気を配っていた。

そのYさんも、娘さんの話では、もう近所でも家が分からなくなるので、外には一人では出せなくなったとのことだ。

今年の同窓会は、もう自分では、出欠のはがきが出せなくなったのか、家族の判断で欠席させるとのこと。

 

こうした問題は、Yさんに限ったことではないはずで、噂では認知症になっているらしい方は、何人かいらっしゃる。

介護保険というものがあっても、サービスは24時間みてくれるわけではない。

Yさんも家族といっても、仕事をしているし、孫も昼間はいないのだ。一日中、外にでることなく、TVでもみているのだろうか。土日は、家族とどこかに出掛けたりもするらしいが、家族も本人も、心の休まるときがないのではないかと思う。

 

世間には、認知症の親や連れ合いのために、離職を余儀なくされた方もいる。しかし、働かなければならない人達は、それも出来ないのだ。Yさんも、多分近いうちに、どこかのグループホームか施設に入ることになるだろう。住み慣れた我が家で最後まで、というのは難しそうだ。

 

介護保険を利用する認知症の高齢者は、現在300万人もいるらしい。まだまだ、これからは増え続けることだろう。いずれ私も……そんな不安はあるが、考えてもしかたのないこと。今を精いっぱい生きていくほかない。

2 件のコメント:

  1. ごまめさんが認知症になるなんて考えられないですう。でも病気は、いつ誰がなるかわからないので怖いですね。

    ここも長く入っている方がぼつぼつ発症しています。物盗られ妄想がある日突然出てきて驚きます。私も犯人にされました。薬はかなり効くようで、進行がパッチリ止まる方もあります。お部屋が分からなくなる方もありますね。

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    1. これからは、共生というか、同じ環境の方たちとか、地域とかで、共生していくじだいになっていかなければ、やっていけなくなりますね。

      私だっていつどうなるか、明日が分からぬ身です。そうならないための努力も、していても、どうにもならないのが病気です。仕方ありません。
      でも、「可愛らしい認知症」になりましょうね。

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