安倍はんも……

「安倍はんも、そろそろ馬脚を現しましたなあ」

あまり政治には関心のないと思っていたＡさんが呟くように言う。

「でも、人気はまだありますねえ。支持率はそんなに下がっていないということは、まだ安倍さんを信用している方が、大勢おるんでしょうねえ」

「安倍はんのこれまでにしてきたことで、みるべきものってありますか？物価は上がるし、給料は下がるし……。ってことは、株価を挙げたことくらいですよ。その株価だって、そろそろ失墜しはじめてますからねぇ」

「株は、もう上がりませんか？」
「回復は難しいのとちがいますか？　３本の矢なんて言ってるけど、マイナス面の対策を何もせずに、ただお札だけたくさん出してもだめですよ。借金が増えるだけですから」
「まあ、株なんかには無縁な者は、何の有難いこともありませんねえ」

こんな会話は、今となっては珍しいことではないと思うのだが、それにしても参議院選挙を前にして、自信満々の安倍さんの顔が、テレビで映しだされている。

もう、大きくハンドルを切ってしまった安倍政権だ。株で大儲けした人はホクホクしているだろうが、そんな人は、一つまみもいやしない。

おまけに、せっかく【コンクリートから人ヘ】移りつつあった政治姿勢が、逆走し始めたものだから、先が恐ろしい。口で言ってきたことと、やっていることとは、かなりの開きがでてきた。今や、官僚の言いなりの政治。何かにつけて日本はますますアメリカの属国みたいになっていく。

「やはり国会のお目付け役は無くてはなりませんねえ」

「政局を冷静に見つめる国会議員をもっと送り出さねばならないとつくづく思いますねえ」
民主党贔屓の私としては、老骨に鞭うって県のただひとりとなつた民主党国会議員【中谷智司】の応援をしたいのだが、なかなか身体がついていかない。（笑）

梅雨空のようにもやもやの気分は晴れなかった。