2013年6月5日水曜日

遺伝子組み替え


「遺伝子組み替え大豆は、使用していません」

こんな添え書きの商品が目に付く。材料の大豆は、アメリカ産だけれど、遺伝子組み換えはしていない、ということなのだが、言いかえると、遺伝子組み換えの大豆は、出回っていると言うことだろう。

ネットで、こんな怖い話を読んだ。政治評論家の田中宇氏が書いている。
要約しておく。

遺伝子を組み替えて、どんなことをしているのかというと、たとえば、草枯らしをかけても、雑草は枯れるけれど、枯れない作物にする、というようなことをしているので、小麦とか大豆とか、広い農場でつくっているアメリカなどは、草枯らしを空中散布しても、作物は心配ない、といったことになるのだ。いうなれば、殺虫剤に強くなった害虫が、殺虫剤をかけても死ななくなった、ということと良く似たもので、草枯らしに抵抗力のついた植物ということになる。枯れはしないが、草枯らしは、たくさん沁み込んでいるはずだ。

しかし、こんな食べ物を食べる気にはならないのが普通で、アメリカの小麦の草枯らしに強い「ラウンドアップ・レディ」という品種は、研究途上で売れそうにないと研究開発を打ち切った。

しかし、その後8年もたっているのに、そんな小麦が、アメリカのオレゴン州に自生していることが見つかったのだ。ということは、打ち切ったはずの小麦が、わずかでも混じって生えて収穫され、世界に輸出されてきた可能性があるのだ。オレゴン州の小麦のほとんど90%は輸出されているのだ。

日本は、メキシコに次いで、米国産小麦の輸入が多い国だ。5月30日、日
本政府はオレゴン州の小麦の輸入を禁じる措置をとった。

日本が米国からの輸入を禁止した小麦は、麺類やクッキーなどの原料になる小麦粉で、日本は米国の代わりにカナダ、フランス、豪州などから小麦を輸入している。

遺伝子組み替えは、小麦において許可されていないものの、大豆やトウモロコシ、綿花などでは許可され、大々的に導入されている。米国産の大豆の93%、トウモロコシの88%が遺伝子組み替え品らしい。しかも、遺伝子組み替え品は、食品としての安全性が確立していない。事実上、全人類を対象に人体実験の最中といえる。

そして今は、遺伝子組み換え種子の使用に、反対運動が、世界に広まっているという。市民団体のデモや集会が開かれている。特に欧州人が強く反対している。(略)

ここで問題なのは、安倍政権が、米国からの圧力への弱さだ。これまで日本の農水省は、国内の農業など一次産業を守るため、今回の輸入禁止や狂牛病のときのように、米国産の農産物に懸念があるときは、米国の業界や政府筋から「神経質すぎる」と非難されても無視して輸入禁止の措置を採ってきた。しかし昨年後半以来、特に安倍政権になってからの日本は、日米同盟の維持を最優先にして、米国から政治圧力を受けると、国内産業の打撃や地元の反対などを無視して、米国側の言いなりになる傾向が強まっている。米国は大手の銀行と企業が政府を動かす権力構造だ。米政府は基本的に業者の言いなりだ。日本が米政府の言いなりになる傾向を強めると、業者の言いなりにならざるを得ない。

TPPの参加について安倍首相は繰り返し「これは日本の安全保障のためだ」と言っている。つまり、日本の農業などが潰れることよりも、日本がTPPに参加することで米国が日本を軍事的な傘下に入れ続けてくれることの方が重要だということだ。米政府が日本に「TPPに入らないと、米国は日本の安全を守りませんよ」と圧力をかけている感じだ。

遺伝子組み替え食品について、従来の日本は比較的厳しい態度をとってきたが、TPPの受け入れとともに、今後は「軍事的な安全」と引き替えに「食の安全」をあきらめる展開になることが懸念される。円を守っていた日銀は、安倍政権によって白川総裁がほとんど暴力的に辞めさせられ、代わりに崩れかかっている米連銀の量的緩和策を助けるために黒田総裁が据えられ、ドルと米国債を延命させるために、円と日本国債を先に自滅させるアベノミクスが行われている。同様に、農水省の頑固な国内農業保護策も、対米従属最優先の安倍政権によって潰され変質させられるかもしれない。(略)

と、まあこういうことだ。難しいことは我々には分からない。しかし、安倍政権の危うさは、何となく分かるのだ。

 

2 件のコメント:

  1. なんだか右も左も怖ーいお話ばかり。自分で判断する能力を身に付けないと何が何だかわからないままに流されそうで怖いです。

    でも今からはもう遅いし、一人の人間が何もかも身に付けるのは無理、どうしたらいいでしょうね。マ、私はそのうちに死ぬのでいいのですが、出来れば孫や子の安全もお見届けたいです。

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    1. 私の様な年寄りになれば、もう、何を食べても平気ですけれどねえ。

      遺伝子交換とか、防腐剤を使った食品とか、加工品より、自然のままの材料を、自分で調理して頂く、ということが、だんだん少なくなってきているのが、気になりますね。

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