2013年9月12日木曜日

自殺


910日から16日まで、日本では「自殺予防週間」となっています。
驚いたことに、近年は、 “就活自殺”と呼ばれる就職活動がうまくいかなかったことが原因の一つとなって自殺で亡くなる若者たちが増えているというのです。

大人の私たちからみますと、たかが、「仕事がうまく見つからない」と言うことで20代もの青年が、そんな理由で自殺されたのでは尾やでなくてもたまらない、と思うのですが、事実なのです。

これは警察庁が、「就職失敗」が原因・動機となっているとした20代の自殺者数の年次推移を踏むまえて、こんな記事があります。転写します。

 5年前(平成19年:60人)と比べて、昨年は2.5倍にまで急増しています。ただ、これはあくまでも氷山の一角に過ぎません。自殺未遂者は、実際に亡くなる人の10倍はいると言われていますから、少なくとも毎年1000人以上の20代が、「就職失敗」を理由に、自殺を試みている計算になるのです。
 
うーむ、と唸りたくなります。
就職活動には、雇うほうにもルールがあるはずですが、それが建前だったりして、真面目な正直者がバカをみるようなことがたくさんあるので、ひょっとして、そうした真面目な人達が、世をはかなんでしまうのかもしれません。

就活をしている学生たちが受け取るメールに【お祈りメール】というのがあるそうです。これは、不採用の通知だそうです。

「あなた様とは残念ながらご縁がありませんでした。今後の就職活動のご成功をお祈りいたします」とか「これからのご健闘をお祈りしています」といった文章で終わっているため、不採用通知が「お祈りメール」と呼ばれているのだそうです。

もっと驚いたのは、「サイレントお祈り」といって、サイレント、つまり「音沙汰がないお祈りメール」不採用通知すら送られてこない、ということだそうで、ひどいことです。
 
 ただ、こうした嬉しくない経験をしながらも、どこかの会社から、内定をもらって希望通り正社員になれれば安心です。 

ところが、今の学生は違うんです。30社、50社、あるいは三桁、100社回っても、一つも内定がもらえないという学生も少なくありません。
 
更にこんなことも書いてありました。

有る調査機関が、「就活に失敗して自殺する若者が増えていることをどう思うか、理解できるか」と尋ねたところ、全員が理解できると答えました。「理解できるといのは?」と、さらに踏み込んで聞いていくと、
「自分たちは、小さい頃から周りの目に怯えながら生きてきた。小学校、中学校と、どうやったら学校でいじめられずに済むか、いじめの標的にされることなくどうすれば無事に学校を卒業できるか、ずっと怯えながら生きてきた」
また、「自分がこれをやりたい、あれをやりたい」などということではなく、できるだけ目立たないように、周りから排除されないためのキャラを、ずっと演じて生きてきたと。
さらに、「中学高校と進学するにつれて、先生や親からの評価も気になるようになっていった」また、大学進学を希望するなら、演じてでも「やる気」をみせていかなければならない。大人の顔色をうかがいながら、作り笑いをして、「いい子」を演じ続けてきた」というのです。
それで、やっとの思いで大学に入って、ようやく周囲からの評価や同調圧力からも少し解放されて、ホッと一息ついた頃に、就職活動が始まる。
 
就活で企業を回ると、面接で必ず聴かれることがあるんだそうです。「あなたの夢はなんですか?」「他の人にできないことで、あなたにできることは何ですか?」という問い。
 
学生たちが言っていました。これまで生きてきて、はじめて「あなた」が問われたと。小さい頃から、周りと同じようにしていなさいと言われ、自分の存在を消すように努力して生きてきたのに、いきなり就活で「あなた」を問われて驚いたと。
 
 そこで必死になって、「自己分析」や「自分さがし」をして、おぼろげながら見えてきた自分のことを、必死になってエントリシートに書いて、しかもそれを何十社分もやって……。
 
 
面接でも、面接官にどうやったら評価してもらえるのか。なんと言ったら内定をもらえるのかと、相手の評価を気にしながら答えて……。
それなのに、回る企業がどれひとつとして自分を受け入れてくれないのだとしたら……。小さい頃から、言われたように生きてきただけなのに、それでも自分の居場所や出番を与えてもらえないのだとしたら……。
学生たちが「理解できる」といったことの意味は、決して「積極的に死にたい」「自殺したい」ということなんじゃなくて、「こんな人生、もう馬鹿馬鹿しくて生きるのを止めたくなる」そういう気持ちはよく分かります、ということだったのです。

今回の調査でも、就職活動をはじめてから「本気で死にたい」「消えたい」と思ったことがあるという学生は、実に21%にも上りました。5人に1人。これは驚くべき数字です。

様々な問題の歪みが、就職活動をしている学生たちに集中的に襲いかかっているようです。 転写 以上

 
就活自殺の背景にあるのは、私たち大人社会のあり方の問題でもあるようです。年寄りの自殺も多いようですが、これからの若い方たちの自殺は、何とも言えぬ気分にさせられます。困ったことです。

 

2 件のコメント:

  1. 40社も50社も廻らなければならない、それだけで異常ですね。日本にはそんなに労働力が余っているんでしょうか。そうも
    思えないんですが、どうした事でしょう。そういう状態になったら自殺したくなる気持ちわからないでもないです。

    親が子供に期待しすぎるのかも知れませんね。今の世、1流企業だって何時つぶれたり吸収合併されるかも知れませんので、選り好みしなければ仕事がないとは思えません。1流企業に向けていた眼を、ちょっと変えてみるだけで人生が開けるかもしれません。

    返信削除
    返信
    1. ネットを見て、どこもかしこも受験するので、三桁も会社を受けるとしいうことになるのでしょうね。会社も、大ぜいの中から、えらばざるをうえなくなります。

      しかも、折角入社しても、つづかなかったり、いやがらせで止めさせられたり。

      気の毒なことです。

      削除