今日は、夫の命日だ。亡くなって18年になる。64歳のとき、まるで、暖簾でもくぐり抜けるようにあっけなく急逝した夫を、暫くは可哀想で仕方がなかったが、18年も過ぎると、私も夫のように着地したいと思うようになっている。
もう、私ほどのトシになると、殆どの方が、ぽっくりと逝きたいと思うようになる。夫のように、まだ60そこそこの者が、ぽっくり逝くと、残された者は諦めきれないし、さぞ、心残りだったろうと思って悲しみからなかなか抜け切れない。
夫の墓に参りながら、いつも思うことがある。「お天気がいいので、今頃こんなところにはいないだろうなあ」と。釣りキチだった夫なので、もう海に出ていると想像するのだ。【漁師になる】というのが夢だった。
退職後、県の仕事を頼まれてしていたので、まったくの自由の身ではなかったが、それでも暇をみつけては、海に出ていた。退職前から古い漁船を手に入れて、エンジンも交換し、自分でも修理しながら、気に入った船に仕上げていた。
夫の釣りは、釣りというよりは、漁というのがいいようだ。ま、竿で釣るのだが、漁師のようにたくさんは獲れないので、市場に卸すほどではない。それでも、あちこちの知人に配ったりしていたものだ。貰ったほうも、困ったのではないかと思うときもあった。(笑)
お蔭で、家族は新鮮な魚ばかりをいただいていた。その代わりといってはなんだが、食べながら、「美味しい美味しい」を何度も言わないと「どうだ?」という。しばらくすると、また「旨くないんか?」と言う。何度も「美味しいなあ」と言いながらいただいたものだ。(笑)
亡くなってしばらくは、マーケットの魚は、拙くて仕方なかった。それに、魚を食べていると、思い出して嗚咽がふきだしたりした。
歳月というものは、ありがたいもので、悲しみは無論のこと、ハラのたったことも、理由もなく叱られたことも、すべて忘れたり、赦せたり出来るものだ。
明日は秋分の日。お彼岸中に逝った者は、極楽もチケットなしで入れるらしい。夫も間違いなく、極楽で、楽しくやっていることだろう。
体調を崩しました。暫くコメント休ませていただきます。ごめんなさい。
返信削除mimiさん。いけませんねえ。気を付けて、無理なさらぬようにね。
返信削除朝晩と日中は、差がありますからねえ……。
スタッフの方がおられますから、心配はないでしょうが……。
早くなおられますよう、念じています。