2013年9月29日日曜日

梅子おばちゃんたちと


帯広の二日目は、梅子おばさんの計らいで、キミちゃんの夫さんの車で、観光に出かけた。ぬかびら湖、然別湖と、大雪山国立公園をまわってくださった。山道は、鬱蒼たる針葉樹に覆われていた。扇が原は、扇をひろげたように、十勝平野の展望が開け、いかにも北海道的な雄大な展望である。

キミちゃんとの話はつきなかった。幼いころの思い出が、次々と思い出されるのだ。

また、梅子おばさんは、今は亡きご主人と派手な喧嘩をしては、私の家に逃げ込んできたことなどを、面白おかしく話してくれるのだ。「主人が探しに来たら、いそいで台所の床板めくって、ムロ(野菜の貯蔵庫)に入ってさ。懲らしめのために二日くらい帰ってやらなかったわ」と。そんなこと、何回かあったなあと、私も記憶の糸を手繰り寄せる。今でいう家庭内暴力のようなじめじめしたものではないのだが、昔の亭主は、とかく威張っていた。
でも梅子おばさんは、負けてはいなかったので、派手になってしまうのだ。

「あの世でおっちゃんはどなにしてるかしら」と言うと、「はよ来いって言ってるけど行かないの。せいぜい待たしておくわ。そのうち、いい人できるだろから、それから行くことにしてる」
と笑う。両親の夫婦喧嘩など、見たことなかった私は、キミちゃんくの両親の言動が、子ども心にとても珍しく思ったものだ。

おっちゃんに、いい人できたのか、梅子さんは、90歳過ぎて旅立った。

0 件のコメント:

コメントを投稿