2012年7月6日金曜日

科学の発達



17個の素粒子のうち、最後の1個、【ヒッグス粒子発見】というビッグニュースが世界を走った。

この粒子、宇宙の成り立ちを説明する上で、欠かせない素粒子らしい。世界の研究者が40年も探し続けて来た素粒子というから、凄い発見だ。この理論の元は、日本人の南部陽一郎氏らの研究理論を基になされてきたというから、日本も鼻が高いというもの。



思えば昔、人間が月面に着陸して、でこぼこな月面を宇宙服を着たロボットのような人間をTVで見た時も手元が震えるほど感動したものだ。ちょうど、学校で児童とともにTVを観たのだが、家に帰ってから、我が子に「学校で観た?すごいなあ」と、しきりに言ったところ、「感動はしたけど、月に人間がまだ行けない、と知った時の方がびっくりした」と言った。こちらもびっくりした。子どもは、マンガで月など人間は簡単に行っていると思い込んでいたらしい。だから今回行って当然、遅かったじゃないかの気持ちだったようだ。私のように、「人間ってすごいなあ。よくもまあ……」の気持ちとは、ちょっとズレがあった。



ちょうど昨日、【東京原子核クラブ】と言う演劇を観たところだ。昭和7年から戦後までの物語で、下宿屋『平和館』の住人、友田という理化学研究所勤務の青年が主人公。この主人公のモデルは、理化学研究所に勤務し、ドイツに留学して原子核物理学などを研究し、その後ノーベル賞を受賞した朝永振一郎博士。



戦前は、軍部の依頼で、原爆開発をしていたのだが、資源やお金の不足で遅れをとった。結果、先を越したたアメリカが、日本に落としたのだ。科学者の性というか、自分たちの研究が遅れをとることの悔しさと、苦悩といったものも見どころだった。もし、日本が先に完成していたら……、歴史はどうかわっていたのだろうか。



科学の発達が、人類に幸せをもたらすこともたくさんある半面、使いようによっては、罪のない人類を大虐殺するような兵器に使われたり、生活の質の向上に使われたはずのものに、ひどい目に合わされたりしているこの現実を、私たちは、どのように見たらよいのであろうか。



脱原発を目標に、国民も政府も動いているのだが、それまでの過程で、便利便利と前進してきた私たちの生活内容を、どのように引き下げていけるのか、難しい問題だ。



ただ、今の私には、もうこれ以上、便利な生活は怖い。これだけ便利になったのだ。これで十分だと思う。電気も、これ以上使わなければいけないような便利な道具など不要と思う。

これからの科学は、今までのツケ、例えば環境汚染をいかに削除していくか、いかに空気を汚さない機器を造っていくか、いかに健康寿命を守れるか、というようなことに力をそそいでもらいたいと思う。



その点、ヒッグス粒子は、歓迎されるものだろう。人類の発展に大いに役だっていただきたいものである。

2 件のコメント:

  1. 研究者の頭の中どんなになっているんだろうと思うことがある、世界の研究者の中に日本の研究者が重要な位置で、頑張られているなんて素晴らしいですね。先輩を見習って若い人たちに、どんどん勉強してもらいたいですね。私達も、何事にも挑戦していかないと、ほって行かれますね・・・
    これ以上、いろんな研究が進むと変化について行けなくなります。

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    1. 同じ人間なのに、どうしてこうも頭の出来の違いがあるのかと思います。

      その道を極めるのは、大変なことでしょうが、毎日毎日、考え悩み、40年もかかって、やっと見つかった!
      関わった方たちは、どんなに嬉しかったことでしょうね。
      反面、遅れをとった研究者たちの無念もわかります。(::)

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