2012年7月27日金曜日

物忘れ


先日、同窓生が10人程集まって、食事会をした。

いつものことながら、「物忘れがひどくなった」「二つのことをしようと思っても、一つしているうちに忘れる」「モノを取りに隣の部屋に入ったのに、何を取りに入ったのか分からない」などなど、グチとも心配ともつかぬ話があちこちでなされていた。


私の場合は、小学生の頃から、物忘れははじまっていたので、恐れることもない、と開き直っている。


物忘れで思い出すのが、「みょうが」のはなしである。

私の祖母が、「みょうがを食べたら、物忘れする」といって、みょうがを嫌っていたが、そのわけを尋ねても、納得のいく返事は聞けなかった。


昔からのいい伝えの中には、生活の知恵のようなものもある。あの、何ともいえない味の中に、脳神経に良くない成分でもあるのかしら・・・とも思ったこともあるが、それも、馬に喰わすほども食べるわけでもなし、ということで、季節には、けっこう好んで食べていた。


ところがある時、『・・・・むかし、インドの国のはなし。釈迦の弟子に、自分の名も覚えられぬ、愚かで忘れっぽい僧がいた。・・・釈迦は、この健忘僧の名を大書して、背中に貼り付けられた。健忘僧も、励んでついに仏果を得る。そしてその死後、彼の墓の周りに生えた見知らぬ植物、墓の主にちなんで、「茗荷」と。つまり、名を荷うの意味である。巷間、今もなお、みょうが(茗荷)を食べると物忘れしやすくなるという俗説が流布されている・・・』という内容の一文を眼にした。


やっと、納得の行く答えに出会った。
そして何となく、みょうがに、得も言われぬ親しみが湧いてきた。


ただ、同じ俗説を流すのなら、健気な僧のためにも、「茗荷を食べたら、物忘れする頭も、良くなる・・・」と流して欲しかったなあ……。






4 件のコメント:

  1. 茗荷と物忘れが関係あるとは知りませんでした。旧居には茗荷が沢山ありましたが、姑も物忘れの事は何も言っていませんでしたねえ。

    死ぬほどの物忘れでなければ、私は気にしません。時々職員さんの名前を度忘れすることがあります。10年近くも付き合っていて、今更聞けないし・・・でも一晩明けたら、忘れたことも忘れています。マア、大丈夫でしょう。

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    1. mimiさんも私同様に、いいいおトシのようですから、堂々と物忘れしても恥じることはないですよね。

      今更聞けないようなことを思い出せないことは、私もよくありますが、忘れてもどうってことないので、素知らぬ顔をしています。名を忘れても、自分との関係がわかっておれば、平気です。
      関係が分からなくなれば、もう痴呆でしょうけすけどね。

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  2. 私は、茗荷大好きです。きょうも酢の物に入れました、昨日も鯵のたたきに青じそ、玉ねぎ
    ネギと茗荷を入れて三杯酢でたべました。とても美味しかったですよ。どうせ今食べるのをやめても物忘れが止まることはないと思いますしね・・・そのうちに茗荷食べることも忘れて行くでしょうしね。(笑)

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    1. 食べても食べなくても物忘れするトシなので、私もしっかり食べています。
      昔、庭にいっぱい出てきましたが、もう何年も前から消えてしまいました。買っています。けっこう高いですよね。(笑)

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