2012年9月21日金曜日

西田幾太郎の逸話


 
西田幾太郎といえば、私のような者でも知っている偉大な哲学者である。

彼には面白い有名な逸話がある。

京都大学教授時代のこと。

毎日、決まった道を散策していた。

巡回していた警察官が、毎日おかしなヤツが歩いているので、ある日、西田を捕まえて尋問した。

「お前、毎日何をしちょる。名は何と言うのか? 勤め先は?」

「・・・わしは、京都大学の西田というものだ」

警察官、それを聞いて京都大学の事務室に出向いた。

「あのう・・・こちらに、西田というコヅカイ(今は用務員という)はおるかね」

事務官は、「・・・西田というコヅカイはおりません。西田という、教授はおりますが・・・」と。

西田幾太郎が、毎日散策しながら思索にふけっていたという小路を、『思索の道』とよばれていたのが、いつしか『哲学の道』とよばれるようになった。

後世に名を残した偉大な哲学者も、その昔、警察官に用務員さんに間違われたというお話。()

堅い哲学者らしい、そして微笑ましい逸話である。

 

2 件のコメント:

  1. 京都の哲学の道にはそういう由来があったんですか。知りませんでした。

    外から見れば教授も用務員も分かりませんよね。毎日ぶらぶら歩いて挙動不審者と思ったんでしょう。教授は胸を張ってドイツ語でも叫びながら歩かないといけません。ウ、ますます、間違えられるかな??

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    1. 当時でも、京大の教授ともなれば、高給取りなんでしょうね。そうはみえなかった。(笑) 
      そこがまたいいですね。

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