2012年10月4日木曜日

センセイと……


元教員の私は、いつまでたっても【センセイ】と呼ばれている。これがいやで、「もう先生じゃないから、先生と呼ばないで」とお願いするのだが、近所の方などは、「もう呼びなれているから、今更ゴマメさんなんて呼べない」とか何とかおっしゃる。親しい方には「先生と呼んだら100円もらうよ」と言って脅すと、「私は、100円あげるから先生と呼んでちょうだいと言っても、呼んではくれない。結構なことでないの」と、おっしゃる。

「先生と呼ばれるほどのバカはなし」ということも言われているが、先生というのは、一般の社会人に比べると、子ども相手ということもあって、世間知らずが多い、という評価があるようだ。自分自身をふりかえってみても、何となくそういう感じがしなくもない。

たしかに教員仲間をみても、悪いことをして引っ張られたという話もないし、常識はずれの行動をする方も少ない。離婚率なども、けっして高くはない。皆が家庭円満というよりは、教師という職業柄、そういうことはしにくいということだろう。「先生のくせに」「先生ともあろう人が」と、先生のレッテルを特別な目で見てしまうのだろう。

しかし、中には厳しいことをおっしゃる方もいる。それは、スナックとか飲み屋の方である。「先生と警察官は、お行儀がよくない」というのだ。何となく分かる気もする。日常自分にけっこう厳しいタガをはめているので、オミキが入ると、そのタガが外れるのだろう。ま、おおめにみてあげてくださいな。

【先生】という呼び名で呼ばれている方は、もう最近はいたるところにいらっしゃる。病院でも、お医者さんだけが先生ではない。足を揉んでくださるリハビリの方も、髪をときつけてくださる方も、先生と呼ぶことが多い。何かの免許があれば先生に違いない。だから、先生と呼ばれることに、抵抗ばかりせずに、受け流していてもいいのかもしれない。
でもいくら免許があるといっても、袴を脱いだ者が、いつまでも先生と呼ばれるのは、気になるものである。裏を返すと、束縛感があるのかもしれない。裃つけたまま、墓の下まで行かねばならないのかなあ。

4 件のコメント:

  1. 先生とは教師の屋号のようなものでして、終生、先生ですよ。誰も気にしていません。先生が呼びやすいです。

    でも、現代の先生は、世間からは先生と呼ばれないようですね。娘は教師になって30年足らずですが、お隣では○○子さんと呼ばれているようです。

    先生の特徴と言うのはあるようです。ここケアハウスにも何人かいらっしゃいますが、ハキハキト物を言うのは当然として、どうも場の空気が読めず、言ってしまうことが多いように思います。

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    1. お嬢さんは、生え抜きでしょうから、○○子ちゃんだと思いますよ。多分、先生が嫁に来ると、先生じゃないかしら。私のように。

      先生タイプというのがありますね。あまり好きではありませんが、いつの間にか身についているのでしょう。

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  2. 私は、子供たちに学校で解らないことがあれば、何でも先生に聞きなさいと言ってきました。親子共に先生を信頼してきました。だから終りまで先生です。
    信頼関係の下で、お陰さまで素直な子供に育ちました。
    ごまめさんのブログを読みながら、こんなに楽しく書けたら良いなぁと感動したり頷いたりして、脳にも刺激をいただいてます。
    若い私達には、教えられる事がいっぱいあり素晴らしいです。
    だから先生です、やっぱり先生です。そのまま、そのまま・・・

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    1. kyamiさん。有難いおことばです。でも、無い頭を絞っていますから、いつ脳内出血を起こすかわかりません。昔のことは、よく憶えていても、「あれ、この話は、ブログに書いたかしら?」なんてことよくありますからね。危ない危ない。

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