2012年10月9日火曜日

ノーベル賞の山中先生


医学も化学もまったくわからないし、iPS細胞というものが、どんなものなのかもよく解らないのだが、今回の山中伸弥氏のノーベル賞受賞は、私たち国民に、明るい夢を与えてくださった。

iPS細胞を使った治療薬の開発について「早く、世界中の難病の患者に、メードインジャパンの薬を提供したい」とおっしゃった中山先生。難病で苦しむ方や、家族の方々は、どんなにか嬉しいことばだったろうか。

私が最後に務めた学校は、筋委縮という病気で歩けなくなる、動けなくなる、寝たきりになる、呼吸が出来なくなる、といった病気を抱えた生徒たちの学校だった。多くの子どもたちが、医学の発達を願いつつ、その薬が待ち切れずに命が尽きていった。何もできない私たちは、地団太をふむような思いで教え子を見送ってきたのだ。
それだけに、涙が出るほど嬉しく思った。

臨床医だった山中先生は、患者への思いが深い。研究成果を待ち望む難病患者に対し、「たくさんの人が一生懸命研究している。苦しいと思うが、希望を捨てずにいてほしい」と呼び掛けた。難病患者さんにとって、こんな嬉しい、励ましのことばがあろうか。
山中先生の焦る気持ちは、本当に尊いものがある。

また先生は、「私は無名の研究者だった。国の支援がなければ受賞できなかった。日本という国が受賞した」と研究費支援に感謝されていらっしゃった。
本当に役立つ税金の使い道とは、こういうことでもあるのだろう。100歳まで長生きできる薬の開発も悪くは無い。しかし、若くして命を絶たねばならないような難病患者のための薬の開発をこそ優先していただきたいものである。 

こうした研究は、簡単なものではなかったはず。
「つらいときも家族が笑顔で迎えてくれた」「仲間や学生に恵まれた」一夜明けた9日午前、妻で皮膚科医の知佳さんとそろって京都大で記者会見に臨んでいる。「今後も研究を多くの人と協力してやっていく必要がある」と、改めて受賞の心境を語る一方、妻に感謝の言葉をささげる素敵な先生でいらっしゃる。

 

4 件のコメント:

  1. 普段はごく普通に見える人がほんとはとても偉い人なのかもしれません。凄い研究成果、早く臨床に使えるといいですね。当事者でなくても世界が明るくなります。

    まだまだ今の医学ではどうにもならない病気は多いです。そちらの方の研究が進むと嬉しいです。

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    1. 今回の中山先生の受賞は、ほんとに一般の人達にね大きな希望を与えてくださいましたね。快挙でした。(^^)

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  2. 山中先生長い間の研究生活御苦労さまと、労いたいですね。
    山中先生は、見るからに爽やかで、正義感あふれる秋風のように、さらっとした清潔感あふれる先生ですね。
    研究の成果によって難病の患者さんたちは、不安感が軽減されたことと思います。
    私達も、安心感で長生きできそうです。

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    1. 素晴らしい方ですねえ。惚れ惚れします。女性フアンがどっと増えたと思いますよ。(^^)

      明るいニュースって、ほんとにいいものですね。

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