2013年1月22日火曜日

質問と答え


思い出話になるのだが、教師をしていたら、色々な質問に出会う。冷や汗を流したこともあるし、お腹の皮がねじれたこともある。

以前、このブログに書いたことがあるが、(12/02/28・質問)あのときの質問は、お偉い方と校長が回ってきたとき、来客の方のおつむが禿げていたのを見た児童のひとりが、「先生、あの人の頭にどうして毛がないのですか」という質問だった。長い教員生活の中でも、これほどの困った質問は、めったにない。まあオリンピックでいうなら【金】クラスである。

そうかと思うとまことに可愛らしい質問もあって、頬が緩む。

ある時、思いつくままにお化けの作り話をした。「今日はここまで。続きはまた明日ね」「先生、明日また出てくるまで、お化けは、どなにしてるんですか?」とっさに「寝ています」「あっそうか」素直な子だった。

前日の汚れた顔のまま登校してきた子を、手あらい場につれて行って顔を洗わせる。「明日は洗ってくるんよ」「洗おうと思ったけど、洗面器に蟹がはいっとった。どなにしたらええか分からんかった。出したら、逃げてしまう。どなにしようか、先生」「帰ったらもう逃げておらんやろ」「逃げえへんよ。小さい蟹やもん」「じゃあ、ポケットにいれとき。顔洗う間だけ」次の日は、洗ってきた。

ある日記より「……お母さんが、今何時?とお父さんに尋ねました。「時計が目の前にあるやないか」とお父さんが言いました。「お父さんの目の前にもあるんやから、言うてくれたってええでえ。私はアイロンかけよるんでよ」とお母さんがいいました。私は、辛くてたまりませんでした。こんなとき、私はどうしたらいいのですか……」
私は赤ぺんで、「○子ちゃんのお父さんとお母さんは、仲がいいのですね。仲がいいから、冗談いいながら、喧嘩の真似をしているだけです。先生も仲がいいから、よく喧嘩します」と。
(子どもの前では、うっかり冗談も言えません。)

「先生。大きくなったら、歯を出したり、入れたり、つまえたりできるようになるん?」「あ、お爺ちゃんがしてたんやろ。入れ歯いうて、歯がぬけてしもうたら、作りものの歯を入れるんよ。」「あんなになったら、歯、磨かんでもええんやろ?虫歯にならん言うとった。はようあんな歯になりたい」「あかんあかん。堅いものはたべられんし、美味しいものも、たべられんかもよ」……なっとくいかぬ顔。

昔の子どもは、随分と晩熟(おくて)だったなあ。

2 件のコメント:

  1. 思わず笑ってしまいました。子供は可愛いですね。咄嗟に返事をする先生にも感心。先生って頭の回転が速いんですねえ。

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    1. 低学年の子供達は、可愛いです。大きくなると、なかなか手ごわい質問してきます。(笑)

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