2013年1月28日月曜日

施設と老後


もうすぐ、米寿を迎えられるIさんが、子どもさんたちに勧められて、ケアハウスに入居なさいました。Iさんは、最近まで車の運転もなさっていて、とてもお元気で前向きの方です。マンションで独り暮らしをされていたのですが、子どもさんにしてみますと、ケアハウスのような、夜も昼も、誰かの目のとどく施設が安心と思われたのでしょう。

しかし、入居して一週間もすると、ご本人は、ケアハウスを出たくて出たくてたまらなくなつたそうです。理由は、一日中、3度の食事以外、何もすることがないので、退屈でしかたがなかったとおっしゃるのです。それに、話の合いそうな方がいなかったことも、大きな原因のようでした。

便利な街中のマンションに住んでいたIさんなので、独り住まいとは言うものの、することはたくさんあって、退屈などしなかったのでしょう。

我慢の限界は、1か月だったとか。早々と、マンションに帰ってしまったのです。「子どもさんは、反対しなかった?」と尋ねますと、「諦めたのか、何とも言わなかった」と笑っておられました。

私は思いました。施設とかケアハウスというのは、外見と、入ってからの実情は、けっこう違いがあって、「こんなところじゃないと聴いたが……」ということになることは、かなり多いようです。親切を売り物にしているのに、1対1のときは、親切でなかったり、あからさまに金儲け主義であったりして、宣伝とは、かなり違うということですから、よほど慎重に、できれば、1週間くらいの体験入所をしてみることも大切かと思います。

Iさんのように、自分の意思で、判断し、行動出来る場合は、よいのですが、ことばが不自由であったり、認知になっていたりして、意思表示が出来ない場合は、困ります。といっても、なかなか理想の施設がすぐに見つかって入所出来るとは限りません。
 
将来、何らかの施設に入って終末を迎えたいと思っている方は、案外多いものです。でも、そんなにおいそれと、理想卿には入れないと思うべきかもしれません。一日でも、自立した健康寿命を延ばす工夫が必要かと思うこの頃です。

 

2 件のコメント:

  1. すでに入居している体験者として、書き込みさせていただきます。お友達はお気の毒でした。その方の現在のご体調が分かりませんので、的外れの部分もあるかと思いますが御免なさい。

    ケアハウスは、介護施設ではありますが、24時間職員が張り付いている訳でなく、生活設計は自分で建てないといけません。まあ、3食、お風呂付のアパートぐらいと思っていた方がいいかもしれません。この頃は特別養護施設の入所待ちが多く、なかなか入れないので、比較的入りやすい「ケアハウスに入ってくる方が多いようです。この施設もも私が入ったときは70代が多かったのですが、今は80代後半の方が多いです。

    年寄になるほど違った環境には馴染みにくく、暫くは職員のサポートが必要だと思うのですが、そこは不十分です。お友達の紹介もありませんから、自分から部屋の外に出て積極的にお友達になれそうな人を探すことが必要です。所が高齢者はそこが苦手ですね。隣の入居者が誰なのか、自己紹介がない限り何月立っても分かりません。1週間ぐらいの体験入所では分からない事です。したがって話も出来ません。

    施設側は、毎日何かの行事をしています。例えば、ラジオ体操は毎日2回、阿波踊り体操週4回、脳トレ週2回、映画会月1回、
    ショピング月1回。その他季節に応じて、外出がかなりあります。所がこれは参加不参加自由ですから、最初はなかなか出てこられないのです。介護認定を取っていれば、「ディサービスや」訪問リハ、、ヘルパーさんを利用する事も出来ます。唯、初めのうちはどうしたらそれらが利用できるのか分からない。ケアマネさんがどこにいるのか、どうしたら連絡できるのか分からない。

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  2. 長くなってごめんなさい。これから入居しようか、と考えていらっしゃる方の参考にでもなれば幸いです。

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