2013年1月4日金曜日

仕事始め


勤めを止めて20数年にもなると、『仕事始め』とか、『初仕事』とかいう言葉にもピンとくるものがない。昔の感覚からすると、サラリーマンの仕事始めは、新年の挨拶のあと、ちょっとした会議でもして、早々と帰宅するような日かと思いきや、けっこう忙しい一日になるらしい。本格的な「仕事始め」ということらしい。

 
家業が小さな印刷屋だった子どもの頃、仕事始めの日は、座敷に集まった3人か4人ほどの工員さんは、普段の服装と少しちがっていた。小奇麗な服を着ていて、靴下が真新しかった。父からお年玉の袋を手渡され、ちょっとした酒と料理で、いいご機嫌になっていた。今から思うと、未成年の工員さんもいたと思うのだが、働いて給料を稼いでいる者は皆、一人前だったのだろう。いつも父のことを【大将】と呼んでいたが、今なら【社長】というのだろうか。ま、社長にも、ピンからキリまであるのだから、おかしくはないのだが。(笑)

大将と呼ばれるのと、社長と呼ばれるのは、同じようで同じじゃないと思う。多くのお店屋さんが、会社組織となっているのだが、昔は、人と人との関わりの中でする仕事場に、何となく温かみのある雰囲気が流れていたと思う。タイムレコーダーなどなかった昔も、早引きも遅刻も残業もあったが、少々の時間の遅れや早引けも、喧しくは言わなかったろうし、少なくとも、工員さんは、家族の一員のような雰囲気と温かみがあったと思う。いい時代だったと思う。

どちらがいいとも言えないのだが……。

2 件のコメント:

  1. そうですね。昔は仕事始めは晴れ着で出勤し、半日で帰っていましたね。今は仕事始めはほんとの仕事始めらしいです。

    万事、世知辛い世の中になりました。

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    1. 仕事にもよるのでしょうが、お役所などの仕事始めには、着物姿のお嬢さんが居たように思います。

      元日から出勤している方たち、いつお正月休みとれるのかしら。気の毒ですね。

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