2013年10月11日金曜日

安売り


私の住む藍住町は、大手の電気器具メーカーが、何軒もあって、人の噂では、全国一安い、東京の秋葉原より安い、という噂があるほど競争が激しい。

新聞の折り込み広告も、畳ほどもあるような大きな広告が、どのメーカーからも一緒に出されることもある。なかには、『他の店より高い場合は、お申し付けください』などと書かれているので、客は、何軒もの店を回って、安い買い物をするのだ。

私は、Kデンキのカード1枚しか作っていないので、いつもKデンキ店で買うのだが、他よりも高い買い物をしているとは思ったことはない。どこも似たり寄ったりだと思っている。

先日、居間のエアコンが壊れて動かなくなったので、Kデンキで買った。居間だけは広くとってあるので、家庭用の一番大きいというのを買った。26畳用というので、数が少なくて、最新式の最高の値段のものしかなかった。店の売り出し中の黄色い特別料金表には、32万円近い値がついていた。
私は、25万円しか持っていない。「かなり高いものですねえ」「最新の最高のものですからねぇ」そうおっしゃりながら、電卓を叩きながら、「268000円までは値引きできます」とおっしゃる。へえーっ。そんなに引いてくれるのかぁと、ちょっと驚いたのだが、「予算が25万円なので、25万円しか持ってきてないのよ」と言うと、「うーーん。ちょっときついですねえ……」と言いながら、再び電卓でやっていたが、「内緒で25万にしましょう」というわけで、財布の中身を言っただけで、1万8000円安くなった。
 
こんなことをブログに書くと、店の人に叱られそうだが、事実なのだ。取り付け料は、高い品物なので、サービスらしく、古いものを持ち帰って貰うのには、廃棄処分料2100円プラスになる。財布の中身をかき集めて支払って帰った。

しかし、取り付けにきてくださったのはいいが、古いものは、(25年前に取り付けた)『オフイス用』という、業務用なので、店では外せない。特別の業者に来てもらってはずすことになるという。そうしたお世話はしますというのでお願いした。
業務用エアコンの廃棄料金は、39800円と言う。家庭用より少し大きいくらいなのに、えらく高いと思ったが仕方がない。
 
取り付けにきた会社の方が言うのには、「この機種は、一番新しいので始めて付けるので、ちょっと時間がかかります。この機種は、定価70万円のものですよ」と。「へえーっ。70万円のものが、25万円で買えたんですか。随分安く買えたものねえ」私は高いと思ったはずの廃棄処分料のことは、頭から消えてしまった。70万円のものが、29万円で買えたようなものだ。

「定価なんて、どうなっているのかしら」と言うと、「Kデンキさんは、大きな会社ですから、安く手に入れるのでしょうね」と。
安く買えた私はいいとしても、会社としては、安売りばかりしていては、大変だ。倒産する会社が出てきてもおかしくないなあと、つくづく考えさせられた。

会社の利益が少ないと、従業員の給料だって上がらないのだ。大きな目で眺めてみると、市民が、安く安くと安い物を追いかけると、働く夫や子供達の給料は上がらないということにもなりかねない。難しい問題やなあ……と、複雑な思いがした。

2 件のコメント:

  1. 藍住町に、ゆめタウンや大手電機店があるということは、人口が急上昇した街ということでしょうね。
    東南アジアの小さな店で商品の値段を聞くと、旅行者には高い値段を言ってきます。
    その手は食わぬと値切りに値切って半値で買っても、後でそれが現地の人が買う3倍の値段だとわかります。取引に慣れてない日本人にはそれを、だまされたぼったくりに会ったと腹を立てます。相手に言わせると、それは騙したんではなくビジネスだ、売り手と買い手が納得できた価格で取引したんだから、これほど正当な取引はないというわけです。
    定価がなくてもスムーズに取引できればいいんではないでしょうか。
    法律がなくても幸せにくらせるなら、そのほうがいいように。

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    1. なるほど。そういうことになりますねえ。
      ま、安く、たくさん売れたらいい、ということもありますしね。

      買う立場では、安いのに越したことはありませんが、何となく、値切るのは、悪いなあという気持ちになるのです。ちょっと、人がよすぎるかな?(笑)

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